シェーカーへの旅

あさ

2008年08月03日 23:03

「シェーカーへの旅」 藤門弘著


シェーカー教と言うのは18世紀末ごろから北アメリカ大陸で活動を拡大し、
今その教徒は3人と言われているキリスト教の一派です。

質実と清貧を旨とするシェーカー教の教義よりも
その教義と生活の中で生まれた「シェーカー家具」の方が有名でしょうか。
一切の無駄のないその機能美に富んだ造形は、慎ましく誠実な精神性を見出すことが出来ます。

この本は著者がシェーカー縁の地を旅するというものですが、
家具よりも彼らの拠点施設を丹念に辿ったものです。
この建物もまたシンプルで美しい。完全なシンメトリーと清潔感。
部屋の中もベッドと椅子、帽子かコートかをかけるフックのみ。


シンプルに生きることを信条としている私にはシェーカー教の格言はまさに金言です。
「手は仕事に 心は神に」
「実用のない美はやがて不快になり、絶えず交換が必要になる」
etc

著者のシェーカーに対する真摯な思いが伝わる好著です。



追記:県立図書館で同じ著者のシェーカー家具の図面集をこないだまで借りてた奴、
参考にするのは結構なことだが公共の本のページを折るな。
木屑落としてそのままにするな。あんたにシェーカーの精神が宿った家具が作れるとは思えんよ。