小泉武夫先生の講演会に行きました。
思い起こせば7.8年前でしょうか。
放送大学でやたらおかしい先生がいて釘付けになったのが始まりでした。
自らを「発酵仮面」と称する先生は、発酵学の権威であらせられます。
NHKの芸能花舞台だか芸術劇場だかで、舞踊「納豆売り」を扱うというだけで、
センセイ呼ばれていました。フットワーク軽いわ。
また著作も多数表されています。
日本経済新聞にも連載されてらっしゃるので、ご存知の方も多いのではないのでしょうか。
「鰯の天ぷらのぺらぺらとした油のコク味」
「胃袋めがけてすっ飛んでいったのであります」
「こいつをヌル燗でコピリコピリとヤるんですな」
など小泉語録は枚挙の暇がございません。
小泉先生の文章のすごいところは、誰でも体験、知覚したことがあるけれど、
言語化していないことを言語化し、それを読む側に追体験させてくれるところです。
天ぷら油のあの味を「ぺらぺらとしたコク味」と表現するそのセンス。
初めて聞くのに言われてみれば、その言葉がもっとも相応しいじゃございませんか。
ともするとこういう感覚的な造語は、読むときひどく違和感や不快感を与えかねないのに
匙加減が絶妙なのです。
しかもその言葉が定着しやすい。
私も「コピリコピリとヤるんですよ!!」
なんて言ってみたりします。
実際にはガブガブとですが。
そんな先生の講演会があるのです。
行かねばなりますまい。いざ別府!
途中行くつもりだった蕎麦屋、レストランが潰れていて驚きました。
やはり飲食店は栄枯盛衰が激しいのですね。
あちこちうろうろしたもですから、ぎりぎりの会場入りです。
席は前から2番目。後ろの方に別府大学の学生さん、前の方に年配の方が多くいらっしゃいました。
公演の題目は「悪臭」
「くさいはうまい」という著書もあらわされた小泉先生です、
最初から最後までクッサイ食べ物のお話をして下さいました。
会場はおばちゃんの笑い声の絶えない楽しい1時間半でした。
今後も別府大学では、香りをテーマに講演会をするそうなので、
興味のある方はいらしてみてはいかがでしょうか。
帰りに鉄輪温泉温泉界隈を歩いてみたのですが、
石畳の坂路が温泉情緒を一層引き立てる、感じのいいところでした。
「おー、これがこれが」と
ヤングセンターや秘宝館を仰ぎ見ましたよ。
立ち寄り足蒸し湯に足を突っ込みたかったのですが、
ストッキングを脱ぐのは憚られたので、
気持ちよさそうに蒸し湯を楽しんでいる方達を羨ましげに見ておりました。
散策しておりますと、牡丹の花が咲く庭のある旅館が期間限定でカフェを開いているとのこと。
アラアラ行かねばね。
と、ほくほくしながら入りました。
しかし桜が終わったかと思ったらもう藤だ牡丹だですよ。
来週には菖蒲だなんだ言い出すんですよ。
もう追いつかんでいけんわ。手加減してくれ。
目当ての牡丹は手加減無用の美しさ。
座る美女を牡丹に例えた言葉も思い出されます。
他にお客もいなかったようで、窓際の席に案内してもらえたのも運がよかったです。
煎茶をいただきながら枯淡の風情溢れる静かなお庭を拝見しました。
帰りはアバンティを聞きながら、珍しくテンパリ気味のスタンをおちょくりつつ
別府を後にしました。
皆がボンボン飛ばす別大国道で緊張しきった体をほぐすべく、田ノ浦ビーチで休憩。
彼誰時の公園は若いカップルが素敵な時間を過ごしています。
結構なことです。
おばちゃん邪魔するつもりはなかったの。ごめんね。
よい休日を過ごしました。
今「やさいの時間」を見ていたのですが、
藤田先生のてんとう虫とおばちゃんのコスプレが可愛すぎる。
もうキューーンてなる。キューーンて。
小泉先生は偉くなりすぎて、もうこういうことはしてくださらないのかしら。