回顧2010 其の1

あさ

2011年01月03日 23:23

好きな温泉が出来ました。
平家落人伝説の塚があるくらいなので秘湯と言えないこともない。

春は桜を愛で、夏は雨音に耳を澄まし
秋の枯れ葉に物憂いて、冬の冷気を窓の外に感じつつ…


温泉サイッッコォォォォォオオオ!!!


大分に住んでいる者のこれ以上の役得がありましょうか。
食べ物は美味しいし、いいところに住んでるよなぁ。


この温泉に行くときはいつも途中のスーパーに寄って(コンビニなどないわ)
入口に置いてある水槽のどんこやメダカにご機嫌伺いをして
飲み物を買っておきます。山あいの地区なので鹿肉、猪肉、
季節になると名産の栗を使った栗大福もあり地域色豊かなスーパーです。 

海の近くに住む者には山のスーパーでも十分レジャー施設なのですよ。
お服も売っているのよ!野良着とか言うな!!



ちゃんと舗装した道の先にあるので、安心して向えるのですが
何様山を登るのであまり知っている方も少なく毎回貸切です。
どうかしたら人間より鹿の目撃回数の方が多いような気がします。

冬のはしりに行ったときは温泉手前の石橋から
岩の上に鹿の皮が干してあるのを見ました。
穴も開けず上手く割いてたなぁ。


人が少ないのもよいですが、ここはその清潔さが気持ちいいのです。
立ち込める湯気が、窓からの光の筋の中で揺らぐ様まで美しい。

施設としてはそう新しくもありませんし、広い湯船ということもないのですが、
来客数日が10人前後の中でも行き届いた掃除をされる従業員の方(一人)の
お心映えがそのまま表れているかのようです。

そうなると入る側のマナーも向上するというもので、
この場の美しさを維持しようと努めます。
良い連鎖ですね。


お風呂上りに地元のお茶も入れて下さいますし、
休憩室に置いてある江川達也の日清戦争もとい日露戦争物語が途中までしか
置いてないというのもよくわかってらっしゃる。



浴室の窓を開ければ眼下に清流が流れ、
季節ごとに色を変える木々を見ているだけで時間がたちます。

一番長く入っていた時は手嶋龍一さんの「スギハラ・ダラー」を持ち込んで
湯船で読んでいたときでしょうか。
やりたい放題です。
ちなみに直筆サイン入りの頂き物。フッフフ。
羨んでいただこうか!

今年も温泉と言ったらおそらくここ一辺倒のような気がします。





もうひとつ好きなのですが、遠くて行くだけで一日仕事になってしまう温泉があります。
全国から登山客が訪れる大崩山(こわいね)を臨みつつお湯を楽しめます。

山幸彦の産湯に使われた川の名を冠する温泉で、
ましてや「美人の湯」とつけばそりゃ行くがな!
山を越えても行くがな!!
(本当に山やら県境やら越えねばならん険阻な道)


去年は一度しか行けませんでしたが、大変よいお湯でした。
上がったあと休憩室で広瀬武夫の本を読んでいると
「白瀬中尉ですか?」中年の男性にと声を掛けられました。

広瀬と白瀬を間違える人がいるというのは何所かで読んだ覚えがありましたが、
本当にいるんだなぁと思いつつ丁寧に訂正させていただきました。

ですが広瀬より先に、白瀬矗の名が出てきたのも無理からぬことで
この方は白瀬所縁の土地にお生まれになったとのことでした。
この日は登山にいらしたということで、おみ足の痛々しさがまだ記憶に残っています。


その後お蕎麦を食べて
「家を出る前にがっつり掃除もしたし、風呂にも浸かった。これで蕎麦とはまさに清めの1日よな」
と満足しきりでした。


帰りにお土産コーナーをうろうろすると、この温泉オリジナルの石鹸発見。
説明書を読むと何やらよさげなので買おうと思いお財布を捜すと、
長財布は家に置いてきたことが判明。

小銭入れに入れていたお金だけで
よくこの日1日賄えたなとほっとしたり呆れたり。
石鹸は次の、と言うより今年の楽しみにしたいと思います。



…正直よく無事に帰れたなと、思い出すと冷や汗をかきます。
今年はこの迂闊さも改めねばな、あさちゃんよ。


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