例によって祖父母宅に行きました。
この日のおみやは「のぼうの城」。我ながら相変わらずいいチョイスだ。
ところが不在。 オオ、シット。
この時間ならおじいさんは畑だね。
3ヶ所のうちどこかしら。
散歩がてらおじいさんを探してうろうろと徘徊。
一番遠い畑にいました。
あいかわらずの健脚よのぅ。
土寄せをしていた祖父ですが、聞けばなにやらご立腹。
「トイモ(さつま芋)とトウキビ(とうもろこし)を猿にやられた」
とのことです。
仕事ではなく趣味とはいえ、やはり憤懣やるかたなしといったようです。
「悪い猿がおる」
相変わらずのおじいさん節です。
「猿は悪い」ではなく「悪い猿がおる」です。
そうだね、十把一絡げは良くない。
それに祖父は、トイモとトウキビを齧り倒した「その瞬間」だけの猿に怒る。
ここに含まれる学びは多いです。
祖父の数多くある美点の一つは
「人の詮索をまったくしない」
ところです。
過去何を成したか、何をしてしまったか、まったく問わない。
私もですが、その瞬間目の前にいる相手がいい人ならそれで十分だと思っています。
だいたいこれぐらい大雑把でなきゃ、人に愛情を持つなんてそうそう出来ませんて。
ある種の諦観かもしれませんが、少なくとも精神衛生はかなり保たれます。
そんな祖父の徳に触れてたところで、お願いされちゃいました。
「納屋の屋根のペンキを塗ってくれるか」
任せて!
スカートだけど任せて!
塗ったことないけど任せて!
なんでもアタイにお任せよ!!
よたよたと梯子をつたい屋根に上ります。
アレは高いところが好きだから大丈夫。
青い空色のペンキで早速塗ります。
垂れる汗、不自然な体勢で大爆笑する膝。
何がなんだかわからなくなって、手はやたらに早く動きました。
一缶ぴったり使い上げて無事終了。
いい仕事をしたわ。
唐辛子に水をやり、祖父の畑仕事も終わったようです。
マムシやカニの話をしながら帰りました。
シャレにならない汗だったので祖父宅を出た後、お風呂に行きました。
海水をろ過して沸かしたお湯です。
家でもたまに塩を湯船に入れるのですが、この塩水風呂の清められる感じが好きです。
切り傷、すり傷があると地獄風呂ですけどね。
海を見ながらの貸切状態のお風呂は大変な贅沢でした。
極楽極楽ハビバノンノン。
お風呂上りに夕涼みがてら、コーヒーを飲みに隣の隣の市までドライブをしました。
目的地となったカフェは壁は藁の混ざった土壁、高い天井に太い梁、
庭も広く隅々まで清められています。
飾られている器は端整な古伊万里(だと思う)で、低いテーブルと椅子は落ち着きます。
置かれた雑誌はサライと来れば、私のツボを押しに押すというものです。
ここのコーヒーは炭焼きの深煎りでカフェインに弱い私には丁度いい。
ジャジーなBGMを聞きながら、サライの朝めし自慢を読んだり(浅香光代だった)
ぼーっとしたりしていました。
酒飲みのくせに大勢で居酒屋などで高歌放吟するのがあまり好きではありません。
そもそもあんまり酔わないし。
年中酔っ払いのようなテンションだからと言われればそれまでですが、
こういう人の少ない所(ごめんよ、あんちゃん)で静かに過ごす方が性に合います。
根暗じゃからの。
運転さえなければ、お酒もあるお店なのでここで飲んでいたと思います。
まずはビールを2杯、山崎12年と響をロックで1杯ずつ。
つまみはあってもなくても。
ワインもいいなぁ。
お店を出た後、少し散歩をして帰りました。
いい夕涼みが出来ました。