手紙をあなたに

あさ

2009年08月09日 02:09

「知らない人からの手紙には返事を書かない主義だけれど、
あなたの手紙はあんまりのんきで面白いので、つい返事を書きたくなった」


これは瀬戸内寂聴さんがデビュー前、三島由紀夫にファンレターを贈った際の返事です。
ここから三島との手紙の遣り取りが始まり、
彼女の最初のペンネーム、三谷晴美を貰うにいたるお付き合いになったそうです。


手紙での遣り取りというのはなかなかよい距離感を保てるものですね。
書かれてから届くまでのタイムラグ、2.3日というのもまた良い。

「2,3日前、この人は私の事を考えてくれていたのだなぁ」

と思うと、じわりと胃の腑のあたりに温かみを感じます。
胸じゃないのよね。
何かしら。
感謝ってお腹のあたり来ません?
興奮は胸に来るのですけれど。

あ、これは生きていくのに「出来のいい体」かも。


そんな心と体の接合具合を測ってくれる手紙ですが、
せっかく送るのですもの、少しでも喜んでいただけるものを選びたい。
字にも文にも自信のない私は、ごまかす気満々で
先日も素敵な便箋、葉書を探すべくおまちの文具屋さんに行きました。

衣食住が簡素に過ぎる毎日の反動か、こういう細々とした消耗品には
季節をかんじるものを選びたくなります。
春夏秋冬4つじゃ足りん。
七十二侯ぐらいわけて揃えたい。
(う。でも蚕起食桑 (蚕が桑を盛んに食べ始める) の絵はイヤかも)


今回は涼やかなうすい翡翠色とベージュの地に青いひょうたんの絵の便箋セットと
青紫の朝顔にのびやかな蔓の罫線の便箋セット。
うすいうすい藤色の地に秋の七草の一筆箋に
シルクスクリーンの黒桔梗、百合、風鈴、金魚他の葉書(このシリーズ大好き)
お札を1/4に折ったサイズの小さなポチ袋を買いました。
鷺草の慎ましやかな絵が愛らしい。

このポチ袋、お正月に限らず大活躍します。
お金の遣り取りをするときに使うとスマートに相手に渡せます。
やはり裸銭(すごい言葉だ)は避けたいものです。

以前お金を集める段で、あるマダムが知らない間に席をはずして
懐紙に包んでお預け下さいました。
その細やかさに淑女の嗜みを見た思いです。

私は淑女と違うのでラクして最初っから袋になっているのを使います。てへ。


あと何か拾ったものを入れるのにも便利。
見たことのない葉っぱを持ち帰って「葉でみわける樹木」(画期的な図鑑)で
食べられるか調べたり、小鳥ちゃんは食べそうでも、人間のあさちゃんは食べても
問題ないか判断しかねる実を入れて、後日祖父に聞くために使うのです。
なんて便利。

おかしい。
淑女の嗜みの話から山でむしって食べられるものの品定めの話になっとる。

とにかく淑女を目指す方にも、猿すれすれの娘さんにも
携帯をお薦めしたいのがポチ袋なのですよ。

もう一つお薦めしたいのが名刺サイズのカードです。
ちょっとしたメッセージを書いて置いておくのに大変使い勝手がよい。
さらにいうとメッセージを残しておく必要があるときは、大概不測の事態なので
どんなシチュエーション、お相手でも失礼でないよう白の無地が便利です。
これに同サイズの封筒も用意しておくとモアベター。
YOU! 人目に触れるのが恥ずかしいようなことを書いちゃいなYO!

さらにこの日文具屋さんで大量購入したのが文香です。
もうね、あればあるだけ使ってしまうのです。
酒もあればあるだけ飲んでしまう。
…何かこう、今性格が見えましたね。

売り場にあるものの1/3を買い占めてしまいました。
発注担当の人が読み間違えて、来月あたり大量発注しないよう祈りつつ
レジで精算してもらいました。

ほんとうにゴメンな。
おばちゃん、あんまりおまちに出ないからごっそり買っちゃったけど、
いつも通りの発注してや。



誰かを気遣ったら、誰かから返ってきます。
一人一人がこの循環を意識して生活したら
世界はもっと具合がよくなるわ。
かつてマザーテレサが
「皆が自分の家の前を掃除したら世界中がきれいになる」
と言ったように。

悪意はどこかで必ず途切れるけれど(20世紀!)
善意は永遠に回り続けると思います。



手紙はそれをわかりやすくおしえてくれますね。


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