読書記録 (抄)

あさ

2009年09月06日 22:47

小説が多かったです。
読み終わった後で、私は小説は不向きだなぁと改めて思いました。

・「赤朽葉家の伝説」 桜庭一樹
 
 「『千里眼奥様』として家を支えた山人の祖母と母、娘である私までの
 旧家、赤朽葉一族の物語」というあらすじを読んで、手に取りましたが
 うーん。思っていたのとだいぶ違いました。特に第三章。
 主人公にそんなに自分を卑下しなくてもと言いたくなる。


・「私の男」 桜庭一樹
 
 上の作品で、少し消化不良だったので直木賞を受賞した同氏のこの本を
 読んでみました。…私に文学的素養がないというのもありますが、
 あまり気分のいい話ではありませんでしたし、この物語から汲み取れる
 ものがありませんでした。むしろ読んでちょっと後悔。


・「吉原手引草」 松井今朝子
 
 同じく直木賞受賞作。当時の吉原が目に浮かぶような骨太な作品。
 台詞回しの妙がたまらない。
 根を詰めて読むと、口調が移りそうでした。なにより上記二つより
 読後感がいいです。本懐を遂げた葛城がかっこいい。
 

・「喋々喃々」  小川糸
 
 東京は谷中でアンティークの着物店を営む主人公の生活、食べ物、
 細やかな歳時、実在するお店など、女性の好きなものばかりです。
 ただ骨子であるところの彼女の恋愛を読み飛ばせる技術が必要。
 …あの10歳の女の子はどうなったのだろう。めそめそ。
 あと彼氏(?)の描写の希薄さに、最後何かトリックがあるのかと
 緊張してました。


・「ぼくには数字が風景に見える」 ダニエル タミット

 サヴァン症候群の著者が語る、彼の見える世界。
 社会性を身につけるべく彼が歩む道の困難さが胸に苦しく、
 その一歩一歩の尊さに打たれます。
 

・「星守る犬」 村上たかし

 マンガ。犬というもののこの従順すぎる愛はなんなのか。
 おいおい泣いてしまいました。
 「ぱじ」といい村上たかしさんの、生活の中から底抜けの笑いと
 抗えない悲しみを掬い取るこの作風はサイバラ好きの方なら
 おすすめします。
 
 


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