ダンスは上手く踊らない

あさ

2009年11月01日 22:24

先週から大変な結婚詐欺を働いた女性のニュースで持ち切りです。
今後どのように事件が展開されるか杳として知れませんが
個人的に考えさせられたことをひとつふたつ。


「婚活」という言葉が巷間に流布しているここ数年ですが、
言われ始めた頃から大変違和感を感じつつも聞き流していました。
それがここに来て、まさかの犯罪に巻き込まれるような
穏便ならざる昨今になりました。

結婚が旧弊の遺物というわけではないのですが、
せっかくこうも社会が成熟して、生き方に選択の幅が出来たのです。
それを鋳型に流す融解した鉄のように自分を変えてまですることもなかろうと。

人間何がしか得手不得手はあるものです。
それが跳び箱であったり、異性と付き合うことであったりと
不得手もその人の個性と思って受け入れられる程に
人間は十分進歩しているはずです。

今回の事件の被害者のプラモデル好きの男性も、確かに女性と親しくすることが
これまで得意でなかった方のようですが趣味があればそれで十分、
むしろそれだけで生きて大往生という人生もあったと思います。
そういった選択も出来た方が亡くなったことに
ただただ胸が詰まります。

私もそちら側の人間なのであえて強い語調で恐縮ですが、
そういう人生を好きで送る人間を否定する方とは親しくする気になれません。
人生は多様。
だから豊かなのだと思います。
また詐欺を働いた女性にとっての「豊か」という言葉の意味も一次的なものだったようです。




もうひとつ。
「婚活」という言葉はつくづく上手いなと思ったのですが、
もしもこの言葉に翻弄されて、知らん間にエライ目にあった方がいたら
否、いたのですね。故に語気荒く一言。





   別にえっとせなならんことじゃねーで!!
(訳:別にそうしなければならないことではありませんよ)




ほんとですよ!
これで商売している人たちが効率よくお金儲けする為のキャッチコピーですよ!
商売をするのは大変結構なことですが、
なまじ人の一生を左右しかねない大ごとが対象になると
人間なぜか大局が見えなくなるものです。
「これで誰が得をするのか」
というのが不思議とわからなくなる。

お酒が入ると例え話が多くなっていかんのですが、
「とろさば」「とろアボガド「とろサーモン」なんてのと同じです。

「とろ」とつくとなぜか濃厚で口当たりのよいものが頭に浮かびますが
同様に「活」とつくと
真面目で付和雷同気味な日本人には恐ろしいメッセージを読み取ります。




「やらなければ他に後れを取ってしまう」







そんなことはまっっったくありませんからね!!
そりゃ国政に係る人からすれば晩婚化、ひいては少子化の対策として
国営放送でドラマの一本もブちたくなるでしょうが(見てはおらんがな)
世間で騒いでいるからといって、自分まで踊らされる必要はありません。
自分の行く末来し方、自分の頭で考えてなんぼです。
一人だろうが二人だろうが、人生は等しく尊い。



「したい人はすればいいし、したくなければしなけりゃいいし」




これに尽きます。


とても残念な話ですが、
メディアというのはそれを発信している会社の都合で我々に情報を提供しています。
都合の内容は主義主張だったり儲けだったり。
(婚活の言葉を作った方の著作の履歴なんかもう、どんだけかと)

私は大変狭量なので、他人の儲けで人生を振り回されたくないのです。
みのもんたの健康になる食べ物の紹介ぐらいならまだかわいいものですが、
踊り明かした狂騒の果て、ブームが去ったとき何が残るのか。




猫が足元で踊り、私それを眺めている。


陽水はつくづくすごいなぁ。

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