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2009年06月01日

宝瓶と鶴齢

三十路突入を記念して、宝瓶と揃いの湯冷まし、茶碗を買いました。


宝瓶というのは片口に蓋がついたようなもので、持ち手のない急須のことです。

亡くなった父方の伯父が、本家に遊びに行くと必ず宝瓶でお茶を入れてくれました。
片手で宝瓶を鷲掴みして、小さな茶碗の上を行ったり来たりしながら
一番美味しい最後の一滴まで出すべく、何度も振っていました。
あれは思い返すとなかなかかっこよかった。

30代で宝瓶、
40代で応量器。

以前はこれに箱膳が入りましたが、年を取ると座しての食事は膝が辛いようなのでやめました。
あさちゃん痛いのイヤ。

ここで私の人生における什器集めは完成を見せます。
(ちなみに20代は黒壇の箸でした。これ一膳と菜箸一膳しか持ってない)


散々探していた宝瓶ですが、これがなかなか見つからない。
まず磁器であること。
がっちゃんがっちゃんとガサツに食器を洗うので、土ものはよう持ちきらんのです。

次に白いこと。
もう白けりゃ何でもいいの。どうしてこうも白が好きなのか。
それに美しい水色も楽しみたいし。
小さな絵入りも却下としていました。

もうね、いっこもない。
ぐずぐずでしたよ。



ところがネットで検索したらトップに理想の宝瓶が!!
イエーイ!!
我が名は現代っ子!!
楽出来るなら経過も手段も問わぬ!!
ニヤニヤしながらポチっとしました。


30歳の一日前、無事届きました。
もう嬉しゅうて嬉しゅうてならん。
でも当日の夜まで我慢。
開ける暇もなかったし。


当日です。
静かな夜の静かなお茶です。
イメトレとして手首をクキクキしていた真価が今問われる。

茶碗を温め、それとは別に適量を湯冷ましにお湯を入れます。
ここでお茶葉。

フッフフ。
この日に相応しいものを用意しましたよ。
一保堂の玉露、「鶴齢」です。
一保堂の玉露ったら、お歳暮でしか見たことありませんでしたよ!
それが今自分のお金で!自分の目の前に!自分が飲むの!!
あー!年取ってよかった!!三十路万歳!!
今回は「齢」繋がりでこれにしましたが、いつか何かで天下を取ったら
最高の玉露、「天下一」を飲みたいものよのぅ。
・・・案外野心家なアタイ。


一保堂と言ったら目に鮮やかなオレンジとヒスイ色の茶壺のラベルです。
開けると鼻腔を甘やかに刺激するお茶の香りは、これからの至福の時間を確約してくれました。
50度近くまで下がったお湯を注ぎ、茶葉が緩むのを待ちます。
約1分。
この待つ時間を持つことがなによりの贅沢なのでしょう。


手首をクキクキクキクキ振りに振って、自分至上最高のお茶が入りました。



!!
・・・甘露なり。
正しく甘露なり。

とろりとした甘みと香り。
茶碗の縁は指を入れると透けて見えるほどの薄さです。
この薄さがお茶をさらに美味しくさせているのでしょう。
何ccなのか、ほんの一口で終わる幸せ。
久々に脳内麻薬がじゃーじゃー出ました。
これは癖になります。


が一つ難点が。
ちっちがめちゃくちゃ近くなる。
ただでさえ代謝という代謝がいい私です。
キュウリ一本食べただけで、その利尿作用に腎臓がフル稼働します。
まさか30になったと同時にトイレの国のお姫様になるとは。
万年アルコール除菌中の肝臓といい、私の中身はよう働くのう。


中身に負けずに私も働くよ!
これからもよろしくな!!


  


Posted by あさ at 00:12Comments(6)生活