2009年06月28日
ペンキ塗り
例によって祖父母宅に行きました。
この日のおみやは「のぼうの城」。我ながら相変わらずいいチョイスだ。
ところが不在。 オオ、シット。
この時間ならおじいさんは畑だね。
3ヶ所のうちどこかしら。
散歩がてらおじいさんを探してうろうろと徘徊。
一番遠い畑にいました。
あいかわらずの健脚よのぅ。
土寄せをしていた祖父ですが、聞けばなにやらご立腹。
「トイモ(さつま芋)とトウキビ(とうもろこし)を猿にやられた」
とのことです。
仕事ではなく趣味とはいえ、やはり憤懣やるかたなしといったようです。
「悪い猿がおる」
相変わらずのおじいさん節です。
「猿は悪い」ではなく「悪い猿がおる」です。
そうだね、十把一絡げは良くない。
それに祖父は、トイモとトウキビを齧り倒した「その瞬間」だけの猿に怒る。
ここに含まれる学びは多いです。
祖父の数多くある美点の一つは
「人の詮索をまったくしない」
ところです。
過去何を成したか、何をしてしまったか、まったく問わない。
私もですが、その瞬間目の前にいる相手がいい人ならそれで十分だと思っています。
だいたいこれぐらい大雑把でなきゃ、人に愛情を持つなんてそうそう出来ませんて。
ある種の諦観かもしれませんが、少なくとも精神衛生はかなり保たれます。
そんな祖父の徳に触れてたところで、お願いされちゃいました。
「納屋の屋根のペンキを塗ってくれるか」
任せて!
スカートだけど任せて!
塗ったことないけど任せて!
なんでもアタイにお任せよ!!
よたよたと梯子をつたい屋根に上ります。
アレは高いところが好きだから大丈夫。
青い空色のペンキで早速塗ります。
垂れる汗、不自然な体勢で大爆笑する膝。
何がなんだかわからなくなって、手はやたらに早く動きました。
一缶ぴったり使い上げて無事終了。
いい仕事をしたわ。
唐辛子に水をやり、祖父の畑仕事も終わったようです。
マムシやカニの話をしながら帰りました。
シャレにならない汗だったので祖父宅を出た後、お風呂に行きました。
海水をろ過して沸かしたお湯です。
家でもたまに塩を湯船に入れるのですが、この塩水風呂の清められる感じが好きです。
切り傷、すり傷があると地獄風呂ですけどね。
海を見ながらの貸切状態のお風呂は大変な贅沢でした。
極楽極楽ハビバノンノン。
お風呂上りに夕涼みがてら、コーヒーを飲みに隣の隣の市までドライブをしました。
目的地となったカフェは壁は藁の混ざった土壁、高い天井に太い梁、
庭も広く隅々まで清められています。
飾られている器は端整な古伊万里(だと思う)で、低いテーブルと椅子は落ち着きます。
置かれた雑誌はサライと来れば、私のツボを押しに押すというものです。
ここのコーヒーは炭焼きの深煎りでカフェインに弱い私には丁度いい。
ジャジーなBGMを聞きながら、サライの朝めし自慢を読んだり(浅香光代だった)
ぼーっとしたりしていました。
酒飲みのくせに大勢で居酒屋などで高歌放吟するのがあまり好きではありません。
そもそもあんまり酔わないし。
年中酔っ払いのようなテンションだからと言われればそれまでですが、
こういう人の少ない所(ごめんよ、あんちゃん)で静かに過ごす方が性に合います。
根暗じゃからの。
運転さえなければ、お酒もあるお店なのでここで飲んでいたと思います。
まずはビールを2杯、山崎12年と響をロックで1杯ずつ。
つまみはあってもなくても。
ワインもいいなぁ。
お店を出た後、少し散歩をして帰りました。
いい夕涼みが出来ました。
この日のおみやは「のぼうの城」。我ながら相変わらずいいチョイスだ。
ところが不在。 オオ、シット。
この時間ならおじいさんは畑だね。
3ヶ所のうちどこかしら。
散歩がてらおじいさんを探してうろうろと徘徊。
一番遠い畑にいました。
あいかわらずの健脚よのぅ。
土寄せをしていた祖父ですが、聞けばなにやらご立腹。
「トイモ(さつま芋)とトウキビ(とうもろこし)を猿にやられた」
とのことです。
仕事ではなく趣味とはいえ、やはり憤懣やるかたなしといったようです。
「悪い猿がおる」
相変わらずのおじいさん節です。
「猿は悪い」ではなく「悪い猿がおる」です。
そうだね、十把一絡げは良くない。
それに祖父は、トイモとトウキビを齧り倒した「その瞬間」だけの猿に怒る。
ここに含まれる学びは多いです。
祖父の数多くある美点の一つは
「人の詮索をまったくしない」
ところです。
過去何を成したか、何をしてしまったか、まったく問わない。
私もですが、その瞬間目の前にいる相手がいい人ならそれで十分だと思っています。
だいたいこれぐらい大雑把でなきゃ、人に愛情を持つなんてそうそう出来ませんて。
ある種の諦観かもしれませんが、少なくとも精神衛生はかなり保たれます。
そんな祖父の徳に触れてたところで、お願いされちゃいました。
「納屋の屋根のペンキを塗ってくれるか」
任せて!
スカートだけど任せて!
塗ったことないけど任せて!
なんでもアタイにお任せよ!!
よたよたと梯子をつたい屋根に上ります。
アレは高いところが好きだから大丈夫。
青い空色のペンキで早速塗ります。
垂れる汗、不自然な体勢で大爆笑する膝。
何がなんだかわからなくなって、手はやたらに早く動きました。
一缶ぴったり使い上げて無事終了。
いい仕事をしたわ。
唐辛子に水をやり、祖父の畑仕事も終わったようです。
マムシやカニの話をしながら帰りました。
シャレにならない汗だったので祖父宅を出た後、お風呂に行きました。
海水をろ過して沸かしたお湯です。
家でもたまに塩を湯船に入れるのですが、この塩水風呂の清められる感じが好きです。
切り傷、すり傷があると地獄風呂ですけどね。
海を見ながらの貸切状態のお風呂は大変な贅沢でした。
極楽極楽ハビバノンノン。
お風呂上りに夕涼みがてら、コーヒーを飲みに隣の隣の市までドライブをしました。
目的地となったカフェは壁は藁の混ざった土壁、高い天井に太い梁、
庭も広く隅々まで清められています。
飾られている器は端整な古伊万里(だと思う)で、低いテーブルと椅子は落ち着きます。
置かれた雑誌はサライと来れば、私のツボを押しに押すというものです。
ここのコーヒーは炭焼きの深煎りでカフェインに弱い私には丁度いい。
ジャジーなBGMを聞きながら、サライの朝めし自慢を読んだり(浅香光代だった)
ぼーっとしたりしていました。
酒飲みのくせに大勢で居酒屋などで高歌放吟するのがあまり好きではありません。
そもそもあんまり酔わないし。
年中酔っ払いのようなテンションだからと言われればそれまでですが、
こういう人の少ない所(ごめんよ、あんちゃん)で静かに過ごす方が性に合います。
根暗じゃからの。
運転さえなければ、お酒もあるお店なのでここで飲んでいたと思います。
まずはビールを2杯、山崎12年と響をロックで1杯ずつ。
つまみはあってもなくても。
ワインもいいなぁ。
お店を出た後、少し散歩をして帰りました。
いい夕涼みが出来ました。
2009年06月28日
日曜美術館
「新」が取れてからの「日曜美術館」に度肝を抜かれっぱなしです。
第一回の蕭白から
「ど、どーしたん?!」
と口を開けながら見ておりました。
そうですね、美の壷の「帯」の回で「あ~れ~」(わかりますね)を妄想する草刈氏と同じ位口を開けてました。
「正雄は仕方のない奴だ!」
と素敵マダムカフェで一席ぶってきましたが、自分も大して変わりません。
いかんですね。
何週か前にあった別府の「混浴するアート」では、姜さん達はスタジオを飛び出して別府へ。
小泉武夫先生の講演会で別府に行ったときに幾つか見たので、興味深く視聴しました。
もとは別府カトリック教会に寄ったのですが、
その道向かいに若手アーティストがアパートまるまる一棟を使ってアート表現をされていました。
私には現代アートの素養がないので、少し難しかったです。
反論があるかもしれませんが、人が造る美を享受するにはある程度の素養が必要だと思います。
それが必要ないのが自然の美、神の造給うた美です。
アニミズムも含め須らく全ての宗教は、理解するものでなく信じるものであるということと同様に。
規模でいったら、人口物より自然の方が多い(はず)のが私達の世界なので
世界は学ばなくても得られる美しいもので満々ています。
誰にでも等しく与えられる美です。
それはとてもいいもののような気がする。
さてつまらん講釈はともかく、「日曜美術館」です。
アングルの回ではタローさんも大慌てしてらっしゃいましたが、
前回はロダンとカミーユで再現ドラマ付き、明日は(今日ね)クリムトです。
ど、どーしたん?
もうしまいにゃ北斎漫画でも出てくるんかといった勢いです。
えーと。
暑気払いに蛸の酢の物で一杯やるかな。
追記…何週か前のアートシーンでやなせたかし展が紹介されていましたが、
大分にも来るそうです。欣快にたえんな!!
「やさしいライオン」で号泣した私に7月、8月の大分市美術館で
干乾びてしまえということですね。泣きに行きましょう。
アンパンマンのOPもやなせ翁の作詞ですが、これでも泣く。
♪忘れないで夢を こぼさないで涙 だから君は飛ぶんだ何処までも~
♪愛と勇気だけが友達さ~
あの頭があんこの人にそんなに重荷を背負わせんでくれ!
十分自己犠牲の人やんか!
友達が愛と勇気だけて。
そんな内から湧き出て人に与えるものだけが友達て!!
手加減してくれ、やなせ御大!!
第一回の蕭白から
「ど、どーしたん?!」
と口を開けながら見ておりました。
そうですね、美の壷の「帯」の回で「あ~れ~」(わかりますね)を妄想する草刈氏と同じ位口を開けてました。
「正雄は仕方のない奴だ!」
と素敵マダムカフェで一席ぶってきましたが、自分も大して変わりません。
いかんですね。
何週か前にあった別府の「混浴するアート」では、姜さん達はスタジオを飛び出して別府へ。
小泉武夫先生の講演会で別府に行ったときに幾つか見たので、興味深く視聴しました。
もとは別府カトリック教会に寄ったのですが、
その道向かいに若手アーティストがアパートまるまる一棟を使ってアート表現をされていました。
私には現代アートの素養がないので、少し難しかったです。
反論があるかもしれませんが、人が造る美を享受するにはある程度の素養が必要だと思います。
それが必要ないのが自然の美、神の造給うた美です。
アニミズムも含め須らく全ての宗教は、理解するものでなく信じるものであるということと同様に。
規模でいったら、人口物より自然の方が多い(はず)のが私達の世界なので
世界は学ばなくても得られる美しいもので満々ています。
誰にでも等しく与えられる美です。
それはとてもいいもののような気がする。
さてつまらん講釈はともかく、「日曜美術館」です。
アングルの回ではタローさんも大慌てしてらっしゃいましたが、
前回はロダンとカミーユで再現ドラマ付き、明日は(今日ね)クリムトです。
ど、どーしたん?
もうしまいにゃ北斎漫画でも出てくるんかといった勢いです。
えーと。
暑気払いに蛸の酢の物で一杯やるかな。
追記…何週か前のアートシーンでやなせたかし展が紹介されていましたが、
大分にも来るそうです。欣快にたえんな!!
「やさしいライオン」で号泣した私に7月、8月の大分市美術館で
干乾びてしまえということですね。泣きに行きましょう。
アンパンマンのOPもやなせ翁の作詞ですが、これでも泣く。
♪忘れないで夢を こぼさないで涙 だから君は飛ぶんだ何処までも~
♪愛と勇気だけが友達さ~
あの頭があんこの人にそんなに重荷を背負わせんでくれ!
十分自己犠牲の人やんか!
友達が愛と勇気だけて。
そんな内から湧き出て人に与えるものだけが友達て!!
手加減してくれ、やなせ御大!!
2009年06月28日
冷や汁賛歌
暑い毎日が続きます。
皆さんいかがお過ごしですか。
私はもうガス台に立つ気ゼロです。
1日1回です。
その一回で何を作るか。
冷や汁です。
もう冷や汁の鬼になっていました。
(ここで「キックの鬼」の歌を歌って頂きたい)
宮崎の郷土料理として巷間に流布していますが、県南でもモリモリ作ってモリモリ食べます。
もう冷や汁大好き。冷や汁の嫁になりたい。
今日も冷や汁、明日も冷や汁です。
(ここで「コロッケの歌」を歌って頂きたい。ところで日本で最初に家庭で作られたのが
あの小泉信三宅というのは本当でしょうか)
まずは基本に忠実にアジで作りました。
トッピングもキュウリ、シソ、すりゴマと慣れ親しんだ味です。アジだけにな!(笑え)
アジ独特の下品(げぼん)の旨みと香り。
魚好きにはたまりません。
汁だから最初から最後まで魚味だしね。
次、エソ。
品のいい白身が田舎味噌独特の麦の味に良く合います。
魚を焼く用の網を持っていないのでフライパンで焼きます。
ついでにトースターもないのでパンもこれ。フライパンだけにな!(笑ってくれ)
物が増えるのがなによりストレスなので。
この日もフライパンが大活躍です。
エソの身はその味同様柔らかく、焼いてるそばからほぐしてそぼろにします。
菜箸も調子に乗るというものです。
ですがエソを扱ったことのある方はご存知の通り、大変骨の多い魚です。
フライパンに広がる数多の骨。
何、このキリングフィールド(殺戮の荒野)。
少しだけラジオの音量を上げて、挫けない様に骨をちまちま取りました。
苦労と時間が調味料になったのか、やはりエソの冷や汁は美味しい。
ナスのカラシ醤油漬けを乗せていただきました。
さらに冒険して鮭。
石狩鍋もあることですし、そう珍妙なものでもありません。
ただやはり上記二つよりも脂があったので、薄朱色のアブラが浮いていました。
見た目の清涼感は若干損なわれましたが、
夏の暑さに赤もまた似合うというものです。
オクラと温泉卵をのせて、隠し味にオイスターソースをいくらか落とします。
鮭だけにな!(笑っていただけないでしょうか)
この辺から何を作ってるのかわからなくなってきます。
もっと手軽に冷や汁を楽しみたいのよ!
そんな乙女ちゃんの願いを叶えたのがこれ、シーチキンです。
近いものが出来ましたがやはりやや旨味に欠けますし、あの油の匂いも気になります。
ここは薬味とトッピングでカバーしましょう。
柚子胡椒とゴマ油で揚げたナスを乗せて解決。
油を吸ったナスはどうしてこうもうまいのか。
さらにほたての缶詰でも挑戦しました。
おお、淡旨是絶佳也。
カボスの爽やかな香りも引き立ちます。
私の体には冷や汁が流れているの。
うふふふふ。
私の体には(略)…ご結婚おめでとうございます。
皆さんいかがお過ごしですか。
私はもうガス台に立つ気ゼロです。
1日1回です。
その一回で何を作るか。
冷や汁です。
もう冷や汁の鬼になっていました。
(ここで「キックの鬼」の歌を歌って頂きたい)
宮崎の郷土料理として巷間に流布していますが、県南でもモリモリ作ってモリモリ食べます。
もう冷や汁大好き。冷や汁の嫁になりたい。
今日も冷や汁、明日も冷や汁です。
(ここで「コロッケの歌」を歌って頂きたい。ところで日本で最初に家庭で作られたのが
あの小泉信三宅というのは本当でしょうか)
まずは基本に忠実にアジで作りました。
トッピングもキュウリ、シソ、すりゴマと慣れ親しんだ味です。アジだけにな!(笑え)
アジ独特の下品(げぼん)の旨みと香り。
魚好きにはたまりません。
汁だから最初から最後まで魚味だしね。
次、エソ。
品のいい白身が田舎味噌独特の麦の味に良く合います。
魚を焼く用の網を持っていないのでフライパンで焼きます。
ついでにトースターもないのでパンもこれ。フライパンだけにな!(笑ってくれ)
物が増えるのがなによりストレスなので。
この日もフライパンが大活躍です。
エソの身はその味同様柔らかく、焼いてるそばからほぐしてそぼろにします。
菜箸も調子に乗るというものです。
ですがエソを扱ったことのある方はご存知の通り、大変骨の多い魚です。
フライパンに広がる数多の骨。
何、このキリングフィールド(殺戮の荒野)。
少しだけラジオの音量を上げて、挫けない様に骨をちまちま取りました。
苦労と時間が調味料になったのか、やはりエソの冷や汁は美味しい。
ナスのカラシ醤油漬けを乗せていただきました。
さらに冒険して鮭。
石狩鍋もあることですし、そう珍妙なものでもありません。
ただやはり上記二つよりも脂があったので、薄朱色のアブラが浮いていました。
見た目の清涼感は若干損なわれましたが、
夏の暑さに赤もまた似合うというものです。
オクラと温泉卵をのせて、隠し味にオイスターソースをいくらか落とします。
鮭だけにな!(笑っていただけないでしょうか)
この辺から何を作ってるのかわからなくなってきます。
もっと手軽に冷や汁を楽しみたいのよ!
そんな乙女ちゃんの願いを叶えたのがこれ、シーチキンです。
近いものが出来ましたがやはりやや旨味に欠けますし、あの油の匂いも気になります。
ここは薬味とトッピングでカバーしましょう。
柚子胡椒とゴマ油で揚げたナスを乗せて解決。
油を吸ったナスはどうしてこうもうまいのか。
さらにほたての缶詰でも挑戦しました。
おお、淡旨是絶佳也。
カボスの爽やかな香りも引き立ちます。
私の体には冷や汁が流れているの。
うふふふふ。
私の体には(略)…ご結婚おめでとうございます。
2009年06月28日
とろける鉄工所
野村宗弘著 「とろける鉄工所」 読了。
マンガです。
広島県の小さな鉄工所を舞台に、溶接工たちの笑ったりほろりとしたり命を賭けたりする物語です。
ほとんど溶接豆知識のマンガなのですが、これが油断しているとじわりと胸を突くのです。
働くということ、
苦労するということ、
人に優しくするということ、
こういう人生の根幹をなすような命題が、一話4ページのギャグマンガの中に挟み込まれています。
上記のようなことは大仰ではなく、日常の中にこそあるものなんですよね。
登場人物は皆どこかで苦労していて、それでもそれを表に出さずに人に優しいのです。
「まぁ、そりゃ当たり前のことだし」
くらいのスタンスなのです。
何かと小理屈を考える我が身の反省にもなる。
そういえば「かもめ食堂」もそうですね。
やはり世界は美しいもので出来ている。
と、この辺でモードを変えて。
(ここからは読んだことがある人向けに)
あー、ぶちおもろいで「とろ鉄」!!
広島弁が伝染るわ!
「溶け込め!! わしのビード!!」 (溶接技術競技会において)
「シミーズ!!これシミーズ!!」 (ウエスを持って)
「鉄が飛ぶわけなかろうが・・・」 (社員旅行の飛行機内で)
「今井の背中の神様聴いとるかー!!」(背中に不動明王を背負ってる同僚に向かって)
「小島理論」(後述)
「でもね、ボロボロ作業着って なかなかカッコええと思うん」(洗濯取り込み後だんなの作業着を着て)
自転車選びの回の北さんのとまどい。
1巻の台詞なしのおまけマンガの奥さんの顔。
2巻最終話のさと子ちゃんの目の下の線。
深夜食堂に続き、当たりを引きました。
小島理論…怪我をしたとき瞬間接着剤で傷口を塞ぐ。激痛が走ることにより脳から
「至急治せ」という信号が送られ、傷の治りが早くなるというもの。
真似したらならん。
が、私も割とこういう自分の体を信じる方向で病気・怪我と向き合います。
よって医薬品は長さ10×幅7×奥行き3のポーチ一個のみ。
こうやって常に追い込んでおくのも病気・怪我を遠ざけると思っています。
まぁ倒れたときが死ぬときだ。(なんだこの女やくざは)
マンガです。
広島県の小さな鉄工所を舞台に、溶接工たちの笑ったりほろりとしたり命を賭けたりする物語です。
ほとんど溶接豆知識のマンガなのですが、これが油断しているとじわりと胸を突くのです。
働くということ、
苦労するということ、
人に優しくするということ、
こういう人生の根幹をなすような命題が、一話4ページのギャグマンガの中に挟み込まれています。
上記のようなことは大仰ではなく、日常の中にこそあるものなんですよね。
登場人物は皆どこかで苦労していて、それでもそれを表に出さずに人に優しいのです。
「まぁ、そりゃ当たり前のことだし」
くらいのスタンスなのです。
何かと小理屈を考える我が身の反省にもなる。
そういえば「かもめ食堂」もそうですね。
やはり世界は美しいもので出来ている。
と、この辺でモードを変えて。
(ここからは読んだことがある人向けに)
あー、ぶちおもろいで「とろ鉄」!!
広島弁が伝染るわ!
「溶け込め!! わしのビード!!」 (溶接技術競技会において)
「シミーズ!!これシミーズ!!」 (ウエスを持って)
「鉄が飛ぶわけなかろうが・・・」 (社員旅行の飛行機内で)
「今井の背中の神様聴いとるかー!!」(背中に不動明王を背負ってる同僚に向かって)
「小島理論」(後述)
「でもね、ボロボロ作業着って なかなかカッコええと思うん」(洗濯取り込み後だんなの作業着を着て)
自転車選びの回の北さんのとまどい。
1巻の台詞なしのおまけマンガの奥さんの顔。
2巻最終話のさと子ちゃんの目の下の線。
深夜食堂に続き、当たりを引きました。
小島理論…怪我をしたとき瞬間接着剤で傷口を塞ぐ。激痛が走ることにより脳から
「至急治せ」という信号が送られ、傷の治りが早くなるというもの。
真似したらならん。
が、私も割とこういう自分の体を信じる方向で病気・怪我と向き合います。
よって医薬品は長さ10×幅7×奥行き3のポーチ一個のみ。
こうやって常に追い込んでおくのも病気・怪我を遠ざけると思っています。
まぁ倒れたときが死ぬときだ。(なんだこの女やくざは)
2009年06月27日
すまん
何年か振りにあるカフェに行きました。
高台に立つ眺めのいいお店です。
空と海のその淡青の境は、正しく神の引き給うた線だと
ただただ歎美しておりました。
天気もよかったので近くの神社に行ったついでに寄りますと、
潰れてた。
あー、ごめん。
私ここでお茶とケーキだけで「トシオ、あんたいけんで」とかいいながら
「死の棘」を読み上げたりしてたわ。
私みたいのが多かったのかなぁ。
「死の棘」1…島尾敏雄の私小説。夫トシオの浮気が原因で狂気を纏う妻ミホ。
妄執と嫉妬、贖罪と衝突の日々の中、やがてトシオも精神に異常を来たす。
極限状態の中で夫婦とは、家族とはを問い続ける物語。
「ドグラマグラ」並に読んでて頭がおかしくなる。
「死の棘」2…トシオ=岸辺一徳、ミホ=松坂慶子で映画化。
岸部四郎の談では「兄とは親戚の冠婚葬祭の時しか会うこともない」とのこと。
あんだけそっくり兄弟でもこのくらいの距離がある。それはそれでいいと思う。
家族間で悩みのある人にはちょっといい福音ではないでしょうか。
高台に立つ眺めのいいお店です。
空と海のその淡青の境は、正しく神の引き給うた線だと
ただただ歎美しておりました。
天気もよかったので近くの神社に行ったついでに寄りますと、
潰れてた。
あー、ごめん。
私ここでお茶とケーキだけで「トシオ、あんたいけんで」とかいいながら
「死の棘」を読み上げたりしてたわ。
私みたいのが多かったのかなぁ。
「死の棘」1…島尾敏雄の私小説。夫トシオの浮気が原因で狂気を纏う妻ミホ。
妄執と嫉妬、贖罪と衝突の日々の中、やがてトシオも精神に異常を来たす。
極限状態の中で夫婦とは、家族とはを問い続ける物語。
「ドグラマグラ」並に読んでて頭がおかしくなる。
「死の棘」2…トシオ=岸辺一徳、ミホ=松坂慶子で映画化。
岸部四郎の談では「兄とは親戚の冠婚葬祭の時しか会うこともない」とのこと。
あんだけそっくり兄弟でもこのくらいの距離がある。それはそれでいいと思う。
家族間で悩みのある人にはちょっといい福音ではないでしょうか。
2009年06月14日
宴のあと
あー。
よかったのかなー。
短慮だったんじゃないのかなー。
私、七尾氏のお優しさに甘えてる?
でも今回楔を打った制約のある文章を書いたことで、自分の癖がわかりました。
いぇーい。
↑あさちゃん、自分のことばっかりやな!
さて。ちと徘徊して、明日の朝市に備えるかの。
すり身買って、おじいさんの口に放り込むんだー。
で、おじいさんの耳に耳掻き突っ込むんだー。
えへへー。
私が食べ物ばっかりあちこち持ってく理由。
後に残る物をあげるより、素敵なことだから。
自分の用意したものが、好きな人たちの血となり肉となるの。
それはとても素敵なことでしょう?
七尾さん、
大分に取材で来ることがございましたら教えてくださいましね。
肥え太るまで口の中に放り込みますわ!
そして私に新作を読ませて。
良書であるほど、読んだ後の募る寂寥感は私が欲深い証拠です。
よかったのかなー。
短慮だったんじゃないのかなー。
私、七尾氏のお優しさに甘えてる?
でも今回楔を打った制約のある文章を書いたことで、自分の癖がわかりました。
いぇーい。
↑あさちゃん、自分のことばっかりやな!
さて。ちと徘徊して、明日の朝市に備えるかの。
すり身買って、おじいさんの口に放り込むんだー。
で、おじいさんの耳に耳掻き突っ込むんだー。
えへへー。
私が食べ物ばっかりあちこち持ってく理由。
後に残る物をあげるより、素敵なことだから。
自分の用意したものが、好きな人たちの血となり肉となるの。
それはとても素敵なことでしょう?
七尾さん、
大分に取材で来ることがございましたら教えてくださいましね。
肥え太るまで口の中に放り込みますわ!
そして私に新作を読ませて。
良書であるほど、読んだ後の募る寂寥感は私が欲深い証拠です。
2009年06月14日
炭鉱太郎がきた道
七尾和晃氏著 「炭鉱太郎が来た道」 読了
まずは己の運の良さを讃えたい。
「銀座の怪人」を最初に読んで、「炭鉱太郎が来た道」で締めることが出来たこの天佑。
私は酒の神と本の神には間違いなく愛されています。
(夜通し飲むときは「神の雫」よろしく、「目覚めよ、私の中のバッカス!!」て言ってから飲みます。ばかですね)
日本の近代を支えた炭鉱夫(炭鉱太郎)たち。
彼らはどこからやってきて、どこへ消えたのか。
何者でもなかった無名の人々の、確かにあった人生を辿るルポタージュです。
始まりは炭鉱離職者に交付された「黒い手帳」の軌跡追うものです。
石炭から石油へ移行していった日本のエネルギー産業を地の底から支え、
やがて去っていた男達はかつて何を思い、今何を思うのか。
「誰でも人生で一冊は小説が書ける」
なんて言葉がありますが、有名、無名を問わず人はドラマチックで悲哀と喜びに満ち満ちた人生があります。
その人生を敬い、筆に墨をし白けき紙を埋めることのなんと尊いことでしょう。
「人間に乗って文化は育まれ、そして移っていくという、当たり前のことを(略)」
著者ご本人から頂戴した言葉です。(ありがたいことですね)
これが氏のご本の根底にあるテーマであることは、その筆力の確かさから如実に伝わります。
氏はこのテーマを産業、政治、経済、民俗学他その底なしの知識と行動力を持って表現されてますが、
どちらかというと、よりフォークロア寄りの興味が尽きない私としては、
第3章「逆光のなかの『山の神』 第4章「ヤマに消えたキリスト」 第5章「忘れられた西の果て」で
頭に血が集まってしまいました。
どうも「漂泊の民」「山人」「道々のもの」「安曇」「たたらもの」「サンカ」他、
「通り過ぎる人」に憧れともつかないような思いがあります。
ところがここで「万世一系に纏ろわぬ者」というキーワードが入る本は
途端にその人の営みの描写の精彩を欠き、カロリー豊富とは言い難い(てへ)物が多いのです。
いや、もちろん万書に通じるわけでもないので
たまたまハズレを引いてきただけかもしれませんが。
やはり学問とイデオロギーは別掲にしてしかるべきではないかなぁと思います。
一緒くたは人を傷つけることが多いよ。
それでいくと宮本常一の誠実なフィールドワークを基とする著作は
優れた学術書であり、読む者の善なる心を喚起させる文学的作品でもあります。
洋の東西を問わないならば、レヴィ・ストロースも同様といえるでしょう。
「宮本常一とレヴィ・ストロースが一緒って、お前どんな読み方してんだ」
と言われそうですが。
良書であることと、テーマの派手、地味は関係ないわ。
そして平成の御世、この系譜は七尾氏に継がれていると信じております。
きっときっと、さらなる大著を著され、「炭鉱太郎」引用されていた「忘れたれた日本人」
「塩の道」「悲しき熱帯」「野性の思考(三色スミレ)」と共に称されるのです。
ふふふ。さらに追い詰めてみました♪
どうかどうか筆を折らないでくださいましね。
エピローグ最後の2行は、私の数年後の「自分史上最高の読書体験」を約束してくださる
お言葉として拝読いたしました。
「銀座の怪人」2つめのコメントで不穏なことお書きになるんですもの。
さらなるご活躍をお祈りしつつ、「炭鉱太郎」をはじめ(入手可能な限りの)著作5冊を
世に出してくださいましたことへの感謝をここに申し上げたいと思います。
ありがとうございました。
まずは己の運の良さを讃えたい。
「銀座の怪人」を最初に読んで、「炭鉱太郎が来た道」で締めることが出来たこの天佑。
私は酒の神と本の神には間違いなく愛されています。
(夜通し飲むときは「神の雫」よろしく、「目覚めよ、私の中のバッカス!!」て言ってから飲みます。ばかですね)
日本の近代を支えた炭鉱夫(炭鉱太郎)たち。
彼らはどこからやってきて、どこへ消えたのか。
何者でもなかった無名の人々の、確かにあった人生を辿るルポタージュです。
始まりは炭鉱離職者に交付された「黒い手帳」の軌跡追うものです。
石炭から石油へ移行していった日本のエネルギー産業を地の底から支え、
やがて去っていた男達はかつて何を思い、今何を思うのか。
「誰でも人生で一冊は小説が書ける」
なんて言葉がありますが、有名、無名を問わず人はドラマチックで悲哀と喜びに満ち満ちた人生があります。
その人生を敬い、筆に墨をし白けき紙を埋めることのなんと尊いことでしょう。
「人間に乗って文化は育まれ、そして移っていくという、当たり前のことを(略)」
著者ご本人から頂戴した言葉です。(ありがたいことですね)
これが氏のご本の根底にあるテーマであることは、その筆力の確かさから如実に伝わります。
氏はこのテーマを産業、政治、経済、民俗学他その底なしの知識と行動力を持って表現されてますが、
どちらかというと、よりフォークロア寄りの興味が尽きない私としては、
第3章「逆光のなかの『山の神』 第4章「ヤマに消えたキリスト」 第5章「忘れられた西の果て」で
頭に血が集まってしまいました。
どうも「漂泊の民」「山人」「道々のもの」「安曇」「たたらもの」「サンカ」他、
「通り過ぎる人」に憧れともつかないような思いがあります。
ところがここで「万世一系に纏ろわぬ者」というキーワードが入る本は
途端にその人の営みの描写の精彩を欠き、カロリー豊富とは言い難い(てへ)物が多いのです。
いや、もちろん万書に通じるわけでもないので
たまたまハズレを引いてきただけかもしれませんが。
やはり学問とイデオロギーは別掲にしてしかるべきではないかなぁと思います。
一緒くたは人を傷つけることが多いよ。
それでいくと宮本常一の誠実なフィールドワークを基とする著作は
優れた学術書であり、読む者の善なる心を喚起させる文学的作品でもあります。
洋の東西を問わないならば、レヴィ・ストロースも同様といえるでしょう。
「宮本常一とレヴィ・ストロースが一緒って、お前どんな読み方してんだ」
と言われそうですが。
良書であることと、テーマの派手、地味は関係ないわ。
そして平成の御世、この系譜は七尾氏に継がれていると信じております。
きっときっと、さらなる大著を著され、「炭鉱太郎」引用されていた「忘れたれた日本人」
「塩の道」「悲しき熱帯」「野性の思考(三色スミレ)」と共に称されるのです。
ふふふ。さらに追い詰めてみました♪
どうかどうか筆を折らないでくださいましね。
エピローグ最後の2行は、私の数年後の「自分史上最高の読書体験」を約束してくださる
お言葉として拝読いたしました。
「銀座の怪人」2つめのコメントで不穏なことお書きになるんですもの。
さらなるご活躍をお祈りしつつ、「炭鉱太郎」をはじめ(入手可能な限りの)著作5冊を
世に出してくださいましたことへの感謝をここに申し上げたいと思います。
ありがとうございました。
2009年06月14日
闇市の帝王
七尾和晃氏著 「闇市の帝王ー王長徳と封印された「戦後」-」 読了
ー戦勝国民としての特権を武器にした男は、異郷の地日本で
「東京租界の帝王」と呼ばれるまでにのし上がっていくー
ー彼は何を目指したのか、日本は彼をどのように受け入れたのか、
遠き「戦後」の知られざるアンダーワールドを跋扈した男の
回想を交えた物語ー
物語は安倍晋三が自民党幹事長に就任した秋(!)、
著者が居酒屋の席で見た総理大臣宛ての内容証明郵便と
ある男の名刺を見たことから始まります。
「黄色合同株式会社 代表取締役 王長徳」
彼がいかに「封印された」戦後を体現した人間か。
この本にも出てきますが、「M資金」「五島慶太」「G2」「安藤昇」他
少し本を読めばいくらでも出てきます。
私が寡聞にして知らないだけだったのかもしれませんが、
当の「王長徳」の名前をここで始めて知りました。
彼の元を訪れた著者は、一人の男が背負った「戦後」に耳を傾けます。
語られざる物語は、決して断絶した遠い昔ではなく、平成の今に繋がるものでした。
彼の言葉、彼の人となりの全てが書かれた本ではありません。
闇市を作り、戦後の混乱期に暗躍した彼は決して清らかな人生を送ったわけではなく、
著者自身どこまで活字にするか悩まれたことと思います。
ですが、清濁併せ持ってこそ人間。
だからこそ著者は彼に惹かれたのでしょう。
それは我々読者も、著者の筆をかすがいに追体験できます。
最新作、「炭鉱太郎が来た道」の道程を示す著作の一つです。
新たな読書体験の予感は、単調な生活の中で最高の愉悦ですね。
ちょっと息切れ。
4冊一気はやっぱり時間がかかるのかしら。
ちゅーか「朗読者」読みながらってのを止めろ。
ー戦勝国民としての特権を武器にした男は、異郷の地日本で
「東京租界の帝王」と呼ばれるまでにのし上がっていくー
ー彼は何を目指したのか、日本は彼をどのように受け入れたのか、
遠き「戦後」の知られざるアンダーワールドを跋扈した男の
回想を交えた物語ー
物語は安倍晋三が自民党幹事長に就任した秋(!)、
著者が居酒屋の席で見た総理大臣宛ての内容証明郵便と
ある男の名刺を見たことから始まります。
「黄色合同株式会社 代表取締役 王長徳」
彼がいかに「封印された」戦後を体現した人間か。
この本にも出てきますが、「M資金」「五島慶太」「G2」「安藤昇」他
少し本を読めばいくらでも出てきます。
私が寡聞にして知らないだけだったのかもしれませんが、
当の「王長徳」の名前をここで始めて知りました。
彼の元を訪れた著者は、一人の男が背負った「戦後」に耳を傾けます。
語られざる物語は、決して断絶した遠い昔ではなく、平成の今に繋がるものでした。
彼の言葉、彼の人となりの全てが書かれた本ではありません。
闇市を作り、戦後の混乱期に暗躍した彼は決して清らかな人生を送ったわけではなく、
著者自身どこまで活字にするか悩まれたことと思います。
ですが、清濁併せ持ってこそ人間。
だからこそ著者は彼に惹かれたのでしょう。
それは我々読者も、著者の筆をかすがいに追体験できます。
最新作、「炭鉱太郎が来た道」の道程を示す著作の一つです。
新たな読書体験の予感は、単調な生活の中で最高の愉悦ですね。
ちょっと息切れ。
4冊一気はやっぱり時間がかかるのかしら。
ちゅーか「朗読者」読みながらってのを止めろ。
2009年06月13日
堤義明 闇の帝国
七尾和晃氏著 「堤義明 闇の帝国」読了
副題は「西部グループの総帥はいかにして失墜したか」
どぎついほどのキャッチーな副題ですが、
プロローグから興奮させられます。
2004年10月、堤義明コクド会長の辞任会見を著者は
生涯忘れることが出来ないものと語っています。
我田引水になるかもしれないと、謙虚な前置きをされていますが、
約2年の著者自身の取材が堤氏の辞任と
西武鉄道による「借名株」の発表の突破口となったとあります。
4ページ目からこんなん書かれたら、そら夜通し一気読みするわ!!
翌日の肌のコンディション?そんなん知るか!!
取材を始められた当時、著者は「週刊新潮」の専属記者でした。
しかしコクド広報室からの圧力により、
利益供与事件も借名株も「週刊新潮」では記事に出来なかったのです。
しかしご自身の信念を貫くことを旨とし、「週刊新潮」を離れフリーとなられます。
見ろ!この骨太な快男子振り!
私が女だったら惚れてましたよ!!
(実は私は女の着ぐるみを来たおっさんです。背中に秘密のチャックがあるのよ。45分でも探すのは無理)
本陣のコクドはもとより、堤家のルーツとなる滋賀の村を訪ね、
かつて西部グループの大番頭といわれた方のお家を訪ね・・・。
著者のこの執念はどこから来るのか。
それこそがどぎつい事件物でありながら、それだけで終わらない
「人間を書く」のを本領とする著者の原動力となったのです。
堤家はもとより、彼らに辛酸を嘗めさせられた市井の人達も丁寧にその人生を追って行きます。
エスタブリッシュメントの舞台裏、日本の不透明な金回りを牛耳っている
仕組みを求めて読むというより、その後の著作に続く
「哀歓に満ち満ちた人の営みへの眼差し」をより深く感じられる一冊でした。
ちょっと面倒な単語が多いので、読むのに時間がかかりました。
あとちょうどこれと平行して「マッチョテイスト」を読んでいたので、理解力は低下する一方。
併読が基本の私の読書スタイルですが、
うなぎと梅を一緒に食べたらこんな感じなのねと思いました。
「マッチョテイスト」…小池一夫原作の奇書。マッチョな問題はマッチョに解決(だめじゃん)する
灯ちゃんとその仲間の青春物語。
「私はマッチョな女、マッチョガールさ!!」
「マッチョだったらダチッコ(友達の意)さ!!」
「キャンセルしますって言いな!愛はキャンセルしますって!!」
など名言多数。本当に最初から最後まで灯ちゃんが何を言っているのか
まるでわからなかった。
副題は「西部グループの総帥はいかにして失墜したか」
どぎついほどのキャッチーな副題ですが、
プロローグから興奮させられます。
2004年10月、堤義明コクド会長の辞任会見を著者は
生涯忘れることが出来ないものと語っています。
我田引水になるかもしれないと、謙虚な前置きをされていますが、
約2年の著者自身の取材が堤氏の辞任と
西武鉄道による「借名株」の発表の突破口となったとあります。
4ページ目からこんなん書かれたら、そら夜通し一気読みするわ!!
翌日の肌のコンディション?そんなん知るか!!
取材を始められた当時、著者は「週刊新潮」の専属記者でした。
しかしコクド広報室からの圧力により、
利益供与事件も借名株も「週刊新潮」では記事に出来なかったのです。
しかしご自身の信念を貫くことを旨とし、「週刊新潮」を離れフリーとなられます。
見ろ!この骨太な快男子振り!
私が女だったら惚れてましたよ!!
(実は私は女の着ぐるみを来たおっさんです。背中に秘密のチャックがあるのよ。45分でも探すのは無理)
本陣のコクドはもとより、堤家のルーツとなる滋賀の村を訪ね、
かつて西部グループの大番頭といわれた方のお家を訪ね・・・。
著者のこの執念はどこから来るのか。
それこそがどぎつい事件物でありながら、それだけで終わらない
「人間を書く」のを本領とする著者の原動力となったのです。
堤家はもとより、彼らに辛酸を嘗めさせられた市井の人達も丁寧にその人生を追って行きます。
エスタブリッシュメントの舞台裏、日本の不透明な金回りを牛耳っている
仕組みを求めて読むというより、その後の著作に続く
「哀歓に満ち満ちた人の営みへの眼差し」をより深く感じられる一冊でした。
ちょっと面倒な単語が多いので、読むのに時間がかかりました。
あとちょうどこれと平行して「マッチョテイスト」を読んでいたので、理解力は低下する一方。
併読が基本の私の読書スタイルですが、
うなぎと梅を一緒に食べたらこんな感じなのねと思いました。
「マッチョテイスト」…小池一夫原作の奇書。マッチョな問題はマッチョに解決(だめじゃん)する
灯ちゃんとその仲間の青春物語。
「私はマッチョな女、マッチョガールさ!!」
「マッチョだったらダチッコ(友達の意)さ!!」
「キャンセルしますって言いな!愛はキャンセルしますって!!」
など名言多数。本当に最初から最後まで灯ちゃんが何を言っているのか
まるでわからなかった。
2009年06月13日
あたー。
祭中にちょっと息継ぎを。
ぷはー。
内容を極力書かずに魅力を伝え、
かつ飽きられないようにバカ話を織り交ぜつつ
(珍しく人に読んでもらうことを第一義としている記事だから)
そのバカ話さえも、本と氏に繋がるように書く。
あたー。結構大変だわ。
力量不足って?
まぁな!!
でもアタイがんばゆ!(BYらぶやん)←こんなのばっかり読んでるわけでは…。いや読んでます。
ぷはー。
内容を極力書かずに魅力を伝え、
かつ飽きられないようにバカ話を織り交ぜつつ
(珍しく人に読んでもらうことを第一義としている記事だから)
そのバカ話さえも、本と氏に繋がるように書く。
あたー。結構大変だわ。
力量不足って?
まぁな!!
でもアタイがんばゆ!(BYらぶやん)←こんなのばっかり読んでるわけでは…。いや読んでます。
2009年06月13日
総理の乳母
七尾和晃氏著 「総理の乳母ー安倍晋三の隠された原風景」 読了
山口の小さな村で出会った一人の老女。
彼女は当時政治記者達から岩戸に隠されたかのように、その姿を晦ましました。
彼女はなぜ「行方不明」とされていたのか・・・。
すべては著者が彼女と出会った2003年9月、
49歳の若さで自民党幹事長となった男の存在にありました。
ー彼女の名は久保ウメ。安倍晋三の乳母だった女性(ひと)-
安倍晋三が最初に世間の耳目を集めたのは、やはり小泉元首相の電撃的な訪朝の際の発言、
「もし拉致を認めないで謝罪をしないなら、席を立って帰りましょう」
その後安倍晋三のタカ派のイメージは定着しましたね。
この発言に対する著者の違和感、恐怖感は当時ニュースを見ていた私も感じていたのを思い出しました。
あれから7年。
かわったことは首相の首。
かわらなかったのは拉致問題の抜本的解決が見られない後手後手の外交。
我々は何をしてきたのでしょうか。
挙句今日のニュースのトップは、北朝鮮のウラン濃縮着手の表明。
さらにすべてのプルトニウムの兵器化を言明。(いや、これはさすがに脅しという名の外交カードでしょうが)
・・・いけね、泣けてきた。
「総理の乳母」では安倍家を軸として、戦後からこれまでの政治の季節を縦糸に、
80余年を生きたウメとの遣り取りと彼女の人生を横糸として、246ページを織り上げています。
さらに(・・・ごめんなさい。先に謝ったら許してくださる?)
その織布に錦糸で綾なしたかのような、著者のリリカルなまでの感性!出ましたよ!
詩人?乙女?どうしたの?!
怜悧なまでの聡明さが伺えるからこそ、余計に目立つこの危うげな程の弱さと若さの露呈。
そんなに弱さを見せなくても、私を始めみんなあなたのことが好きだから!!大丈夫だから!!
たぶんコメントを頂いていなくてもこれは書いていました。それくらい気になるのです。
いらん世話ですが。
芸人でいうとチュートリアルの福ちゃんも同じくらい心配です。
やはりいらん世話ですが。
この剃刀陸奥もかくやというような明晰ぶりと、叙情的に過ぎるほどの精神のかよわさ。
軸足をどこに置いて読んだらいいのか分らないこの感じはアレです。
「カンゴロンゴ」ですね。
NHKの日曜の夜、今のサラリーマンNEOと同じ時間にあったものです。
この番組のギャグとシリアスの匙加減の狂いっぷりは相当なものでした。
心配しながら見ておりましたが、後半になってようやくわざとだというのがわかりました。
ということは氏の危うさもわざとの可能性もあり?!
もしかしてやられた?!
文学的作為ってやつ?!
私の中にようやく気づきが走ったのです。
これが書き物の天賦の才があるということでしょう。
このあたりは頂戴したコメントに書いてらっしゃいましたが、おそらく大いなる謙遜。
著者の力量の底知れなさを思うに到る読書の時間でした。
追記・・・本、雑誌を手に取ると、出版社と表紙の紙質を確認してしまう下品な癖があります。
出版に際し、ご苦労なさったのですね・・・。
カンゴロンゴ・・・不評だったかあっさり終了。平幹次郎演じるカンゴローは見た目のわりに
打たれ弱い方で、なかなかに母性本能をくすぐる恐ろしい御仁。
「お言葉発射!」の際の図画工作はピタゴラスイッチのスタッフによるものか?
「♪30過ぎても寝てばかりぃ 40になっても惑いっぱなしぃ」というOPは
今でも口を伝ってしまいます。
山口の小さな村で出会った一人の老女。
彼女は当時政治記者達から岩戸に隠されたかのように、その姿を晦ましました。
彼女はなぜ「行方不明」とされていたのか・・・。
すべては著者が彼女と出会った2003年9月、
49歳の若さで自民党幹事長となった男の存在にありました。
ー彼女の名は久保ウメ。安倍晋三の乳母だった女性(ひと)-
安倍晋三が最初に世間の耳目を集めたのは、やはり小泉元首相の電撃的な訪朝の際の発言、
「もし拉致を認めないで謝罪をしないなら、席を立って帰りましょう」
その後安倍晋三のタカ派のイメージは定着しましたね。
この発言に対する著者の違和感、恐怖感は当時ニュースを見ていた私も感じていたのを思い出しました。
あれから7年。
かわったことは首相の首。
かわらなかったのは拉致問題の抜本的解決が見られない後手後手の外交。
我々は何をしてきたのでしょうか。
挙句今日のニュースのトップは、北朝鮮のウラン濃縮着手の表明。
さらにすべてのプルトニウムの兵器化を言明。(いや、これはさすがに脅しという名の外交カードでしょうが)
・・・いけね、泣けてきた。
「総理の乳母」では安倍家を軸として、戦後からこれまでの政治の季節を縦糸に、
80余年を生きたウメとの遣り取りと彼女の人生を横糸として、246ページを織り上げています。
さらに(・・・ごめんなさい。先に謝ったら許してくださる?)
その織布に錦糸で綾なしたかのような、著者のリリカルなまでの感性!出ましたよ!
詩人?乙女?どうしたの?!
怜悧なまでの聡明さが伺えるからこそ、余計に目立つこの危うげな程の弱さと若さの露呈。
そんなに弱さを見せなくても、私を始めみんなあなたのことが好きだから!!大丈夫だから!!
たぶんコメントを頂いていなくてもこれは書いていました。それくらい気になるのです。
いらん世話ですが。
芸人でいうとチュートリアルの福ちゃんも同じくらい心配です。
やはりいらん世話ですが。
この剃刀陸奥もかくやというような明晰ぶりと、叙情的に過ぎるほどの精神のかよわさ。
軸足をどこに置いて読んだらいいのか分らないこの感じはアレです。
「カンゴロンゴ」ですね。
NHKの日曜の夜、今のサラリーマンNEOと同じ時間にあったものです。
この番組のギャグとシリアスの匙加減の狂いっぷりは相当なものでした。
心配しながら見ておりましたが、後半になってようやくわざとだというのがわかりました。
ということは氏の危うさもわざとの可能性もあり?!
もしかしてやられた?!
文学的作為ってやつ?!
私の中にようやく気づきが走ったのです。
これが書き物の天賦の才があるということでしょう。
このあたりは頂戴したコメントに書いてらっしゃいましたが、おそらく大いなる謙遜。
著者の力量の底知れなさを思うに到る読書の時間でした。
追記・・・本、雑誌を手に取ると、出版社と表紙の紙質を確認してしまう下品な癖があります。
出版に際し、ご苦労なさったのですね・・・。
カンゴロンゴ・・・不評だったかあっさり終了。平幹次郎演じるカンゴローは見た目のわりに
打たれ弱い方で、なかなかに母性本能をくすぐる恐ろしい御仁。
「お言葉発射!」の際の図画工作はピタゴラスイッチのスタッフによるものか?
「♪30過ぎても寝てばかりぃ 40になっても惑いっぱなしぃ」というOPは
今でも口を伝ってしまいます。
2009年06月13日
七尾祭開幕
フッフフ。
なんやかんやでやって参りました、七尾祭。
勝手に盛り上がっております。
一人遊びは大得意よ。
まずはことの経緯を。
偶然手に取った七尾和晃氏著 「銀座の怪人」。
その質的ボリュームに圧倒され、拙文の披露の恥も厭わずこちらにつらつらと感想を書きました。
数日後、まさかの七尾氏のご訪問、
さらに読み手にとっては僥倖とも言えるような作者の生のお言葉を頂戴したのです。
もうね、祭ですよ!!
祭せにゃならんですよ!!
義とか愛とかNHKの中の人が今ゆうてるじゃないですか!!
美丈夫ばかりに任せちゃおられん!
ワシにも言わせろ!!
義だ!愛だ!
途中、友人から借りた「湯けむりスナイパー」や「マッチョテイスト」を読んで、
おがくずしか入っていない私の頭がさらにスッカスカになってしまいました。
氏のご本の魅力を十二分に紹介するのは大変困難ですが、
それはご本を読めばわかることです。私はただ題名をおしらせするだけでもこと足りるでしょう。
だって「銀座の怪人」で頂戴したコメントだけでも、氏のお人柄、その才は読み取れるのですから。
こちらで駄文を書いたところで、義を返したことにはならないのは承知の上。
ですが何かしたいと思わずにいられないこの気持ちをお許しくださいましね。
それでは一気呵成に4冊いってみまショー!!
なんやかんやでやって参りました、七尾祭。
勝手に盛り上がっております。
一人遊びは大得意よ。
まずはことの経緯を。
偶然手に取った七尾和晃氏著 「銀座の怪人」。
その質的ボリュームに圧倒され、拙文の披露の恥も厭わずこちらにつらつらと感想を書きました。
数日後、まさかの七尾氏のご訪問、
さらに読み手にとっては僥倖とも言えるような作者の生のお言葉を頂戴したのです。
もうね、祭ですよ!!
祭せにゃならんですよ!!
義とか愛とかNHKの中の人が今ゆうてるじゃないですか!!
美丈夫ばかりに任せちゃおられん!
ワシにも言わせろ!!
義だ!愛だ!
途中、友人から借りた「湯けむりスナイパー」や「マッチョテイスト」を読んで、
おがくずしか入っていない私の頭がさらにスッカスカになってしまいました。
氏のご本の魅力を十二分に紹介するのは大変困難ですが、
それはご本を読めばわかることです。私はただ題名をおしらせするだけでもこと足りるでしょう。
だって「銀座の怪人」で頂戴したコメントだけでも、氏のお人柄、その才は読み取れるのですから。
こちらで駄文を書いたところで、義を返したことにはならないのは承知の上。
ですが何かしたいと思わずにいられないこの気持ちをお許しくださいましね。
それでは一気呵成に4冊いってみまショー!!
2009年06月07日
祭予告
私の名はあさ。
昼は右利き、夜は左利き。
そして
義には義で返す女。
そんなわけで
「わっしょい七尾和晃氏祭」
を勝手に催したいと思います。
御本の感想を書かせていただくだけですけどね。
返ってご迷惑にならないかしらと内心ビクビクしつつ。
「花の慶二」を再読して、「幸村、貴方どんだけ長渕剛?」とか言ってる場合ではありません。
今夜は楽しみにしていた
「炭鉱太郎がきた道」
です。
いい夜になります。
というわけで今週は早めに失礼。
義には義で返す…人に話したら、「男で出来た傷は男で癒す、みたいな?」と言われた。
違うよ。
昼は右利き、夜は左利き。
そして
義には義で返す女。
そんなわけで
「わっしょい七尾和晃氏祭」
を勝手に催したいと思います。
御本の感想を書かせていただくだけですけどね。
返ってご迷惑にならないかしらと内心ビクビクしつつ。
「花の慶二」を再読して、「幸村、貴方どんだけ長渕剛?」とか言ってる場合ではありません。
今夜は楽しみにしていた
「炭鉱太郎がきた道」
です。
いい夜になります。
というわけで今週は早めに失礼。
義には義で返す…人に話したら、「男で出来た傷は男で癒す、みたいな?」と言われた。
違うよ。
2009年06月06日
乱読
テレビにもよく出る某学者の某書を読んでぐったりする。
この極楽とんぼのあさちゃんが、憂国に胸が潰されそうになるくらいぐっったり。
いかん。
自分の精神衛生は自分で向上させねば。
オラに元気を分けてくれ!!
というわけで、
植松 黎 著 「毒草を食べてみた」
桜井章一 著 「人を見抜く技術」
氏家幹人 著 「江戸の性風俗 笑いと情死のエロス」
水木しげる御大 著 「本日の水木さん」
読了。
「毒草~」…身近な草花が実は結構な毒草であることが多いのですね。
毒草毎に項立てているので読みやすいです。
題名ほど著者は召し上がっていません。
そりゃ毒草だしな。
「人を~」…20年無敗、「雀鬼」の二つ名を持つ著者ならではの説得力。
半ちくなビジネス書では足元にも及びません。
ダークな世界で生きた人だからこそなのか、
逆にブレのない、己に対する潔癖さがある方です。
「江戸の~」…春画にビビる。
「本日の~」…御大の言葉は深い。
御大の一人称は「水木さん」
「当時のヒットラーさんは格好が良かったね(中略)
人間あまり無理をしちゃあいかんですね。」
「水木プロには、水木さんを心配してくれる美女がいるんです。
しかし美女といっても、触っていいわけではないのです」
名言多数。
御大の中身は「32%は水木さん、あとの68%は神様」
らしいので、私は篤く敬います。
ところで次回のNHKの朝の連ドラが「ゲゲゲの女房」というのは本当でしょうか。
楽しかったです。
私の精神衛生は保たれました。
やれやれです。
この極楽とんぼのあさちゃんが、憂国に胸が潰されそうになるくらいぐっったり。
いかん。
自分の精神衛生は自分で向上させねば。
オラに元気を分けてくれ!!
というわけで、
植松 黎 著 「毒草を食べてみた」
桜井章一 著 「人を見抜く技術」
氏家幹人 著 「江戸の性風俗 笑いと情死のエロス」
水木しげる御大 著 「本日の水木さん」
読了。
「毒草~」…身近な草花が実は結構な毒草であることが多いのですね。
毒草毎に項立てているので読みやすいです。
題名ほど著者は召し上がっていません。
そりゃ毒草だしな。
「人を~」…20年無敗、「雀鬼」の二つ名を持つ著者ならではの説得力。
半ちくなビジネス書では足元にも及びません。
ダークな世界で生きた人だからこそなのか、
逆にブレのない、己に対する潔癖さがある方です。
「江戸の~」…春画にビビる。
「本日の~」…御大の言葉は深い。
御大の一人称は「水木さん」
「当時のヒットラーさんは格好が良かったね(中略)
人間あまり無理をしちゃあいかんですね。」
「水木プロには、水木さんを心配してくれる美女がいるんです。
しかし美女といっても、触っていいわけではないのです」
名言多数。
御大の中身は「32%は水木さん、あとの68%は神様」
らしいので、私は篤く敬います。
ところで次回のNHKの朝の連ドラが「ゲゲゲの女房」というのは本当でしょうか。
楽しかったです。
私の精神衛生は保たれました。
やれやれです。
2009年06月06日
以後不問として頂きたい。
どういった方かは存じかねますが、以前
「芸能人なら誰に似てる?」
とメッセージを頂戴しました。
「綾瀬はるかとゴリラを足して、綾瀬はるかを引いた感じです」
とお答えしたら、その後ぷっつりメッセージは途絶えました。
うふふふふ。
30女の虫の払い方をなめるなよ。
「芸能人なら誰に似てる?」
とメッセージを頂戴しました。
「綾瀬はるかとゴリラを足して、綾瀬はるかを引いた感じです」
とお答えしたら、その後ぷっつりメッセージは途絶えました。
うふふふふ。
30女の虫の払い方をなめるなよ。
2009年06月06日
東京アンダーナイト
山本信太郎 著 「東京アンダーナイト」 読了。
かつて赤坂でその栄華を誇った、ナイトクラブ「ニューラテンクォーター」の支配人でらした
氏の自伝的「夜の昭和史」です。
例によって物を知らん私ですが、
この「ニューラテンクォーター」は力道山が刺された現場だったそうですね。
著者はほぼ唯一の目撃者でしたが、
当時は一切黙して語らず、この本で初めて仔細を詳らかにしています。
第一章はこの力道山刺殺事件の真相ですが、
以下も昭和のビックネームがページを踊ります。
宮家から財界、芸能人に侠客までおよそ当時の名士、有名人は皆この店を訪れたのでしょう。
書けない事も多かったでしょうが、それでも昭和の語り部として
生々しい程の内容を著した氏の決断と筆に驚いています。
語られない戦後史に興味のある人間には、すこぶるつきの面白い一冊です。
この著者のすごいところ。
児玉機関や、横井英樹といったどこか後ろ暗い名前も出てきますが、
この方の語り口とお人柄故か、ダーティーな感じをまるで受けないのです。
やはり何かの世界で頂点を極めた方は人格者でもあるのですね。
卵が先か~の話かもしれませんが、
私が一保堂の「天下一」を飲むのには、やはり道は険しいようです。
個人的に驚いたのは、聞き覚えのあり過ぎる建設会社の名前が出てきたのと、
上津江にゴルフ場を作っていたということでしょうか。
それとおかしかったのが、お街の人が借金作って潜伏する先は大分なのかと。
以前も何かの事件で
「これだけ人里から離れていれば、バレないと思った」と
遺体を大分の県南に捨てようとした犯罪者がいましたが、
…普通にこちとら住んでるっての!!
ここらはこれで十分人里だっての!!
やーねぇ、もう。
最終章ではお互いを「兄弟」と呼ぶ、勝新太郎との交遊が書かれています。
勝新太郎は「帝都物語」の渋沢翁しかしらないのですが、忘れきれない話が一つ。
アーサー・ゴールデンの「さゆり」で芸者や祇園文化の情報提供者(後に訴訟を起こし、勝訴)
岩崎究香(峰子)さんの著作、「岩崎峰子の花いくさ」で、副題「ほんまの恋はいっぺんどす」の相手が
「若くして長唄のお師匠、眉目は整い、一途で繊細な男性」
みたいな書きようで、読みながら
「(素行はアレだが)どんな貴公子然とした方なのかしら!トキメキトキメキ!」
なーんて思い後半ページを繰ったら、よう肥えた勝新と著者とのツーショット。
どんだけびっくりしたことか。
「なんやとー!!」ベッドで横になったまま叫ぶワタクシ。
きっつい寝酒でしたわ。
昭和の怪優とも呼ばれた勝新太郎。
私にはわかりませんが、男性も女性も魅了させる力が勝新にはあったのでしょう。
わからないから知りたい。
読書と人生の燃料としてはこれで十分です。
さゆり…「川端康成の文章を英語にして、さらにそれを和訳したような文章にした!」
すごいな!
アメリカ人から見ると、川端文学は相当倒置法が多いようです。
しかしニューヨークタイムズの係累の人なら、そりゃ10年かけて本書けるわなぁ。
花いくさ…自己プロデュースにえらく長けた方だなぁ…くらいしか感想がなくてごめんなさい。
あと守秘義務について考えさせられました。
帝都物語…これのおかげでTVで顔の長い人を見ると「加藤ぉぉぉぉぉぉ!!」と叫んでしまうようになった。大変悪い癖。
かつて赤坂でその栄華を誇った、ナイトクラブ「ニューラテンクォーター」の支配人でらした
氏の自伝的「夜の昭和史」です。
例によって物を知らん私ですが、
この「ニューラテンクォーター」は力道山が刺された現場だったそうですね。
著者はほぼ唯一の目撃者でしたが、
当時は一切黙して語らず、この本で初めて仔細を詳らかにしています。
第一章はこの力道山刺殺事件の真相ですが、
以下も昭和のビックネームがページを踊ります。
宮家から財界、芸能人に侠客までおよそ当時の名士、有名人は皆この店を訪れたのでしょう。
書けない事も多かったでしょうが、それでも昭和の語り部として
生々しい程の内容を著した氏の決断と筆に驚いています。
語られない戦後史に興味のある人間には、すこぶるつきの面白い一冊です。
この著者のすごいところ。
児玉機関や、横井英樹といったどこか後ろ暗い名前も出てきますが、
この方の語り口とお人柄故か、ダーティーな感じをまるで受けないのです。
やはり何かの世界で頂点を極めた方は人格者でもあるのですね。
卵が先か~の話かもしれませんが、
私が一保堂の「天下一」を飲むのには、やはり道は険しいようです。
個人的に驚いたのは、聞き覚えのあり過ぎる建設会社の名前が出てきたのと、
上津江にゴルフ場を作っていたということでしょうか。
それとおかしかったのが、お街の人が借金作って潜伏する先は大分なのかと。
以前も何かの事件で
「これだけ人里から離れていれば、バレないと思った」と
遺体を大分の県南に捨てようとした犯罪者がいましたが、
…普通にこちとら住んでるっての!!
ここらはこれで十分人里だっての!!
やーねぇ、もう。
最終章ではお互いを「兄弟」と呼ぶ、勝新太郎との交遊が書かれています。
勝新太郎は「帝都物語」の渋沢翁しかしらないのですが、忘れきれない話が一つ。
アーサー・ゴールデンの「さゆり」で芸者や祇園文化の情報提供者(後に訴訟を起こし、勝訴)
岩崎究香(峰子)さんの著作、「岩崎峰子の花いくさ」で、副題「ほんまの恋はいっぺんどす」の相手が
「若くして長唄のお師匠、眉目は整い、一途で繊細な男性」
みたいな書きようで、読みながら
「(素行はアレだが)どんな貴公子然とした方なのかしら!トキメキトキメキ!」
なーんて思い後半ページを繰ったら、よう肥えた勝新と著者とのツーショット。
どんだけびっくりしたことか。
「なんやとー!!」ベッドで横になったまま叫ぶワタクシ。
きっつい寝酒でしたわ。
昭和の怪優とも呼ばれた勝新太郎。
私にはわかりませんが、男性も女性も魅了させる力が勝新にはあったのでしょう。
わからないから知りたい。
読書と人生の燃料としてはこれで十分です。
さゆり…「川端康成の文章を英語にして、さらにそれを和訳したような文章にした!」
すごいな!
アメリカ人から見ると、川端文学は相当倒置法が多いようです。
しかしニューヨークタイムズの係累の人なら、そりゃ10年かけて本書けるわなぁ。
花いくさ…自己プロデュースにえらく長けた方だなぁ…くらいしか感想がなくてごめんなさい。
あと守秘義務について考えさせられました。
帝都物語…これのおかげでTVで顔の長い人を見ると「加藤ぉぉぉぉぉぉ!!」と叫んでしまうようになった。大変悪い癖。
2009年06月01日
宝瓶と鶴齢
三十路突入を記念して、宝瓶と揃いの湯冷まし、茶碗を買いました。
宝瓶というのは片口に蓋がついたようなもので、持ち手のない急須のことです。
亡くなった父方の伯父が、本家に遊びに行くと必ず宝瓶でお茶を入れてくれました。
片手で宝瓶を鷲掴みして、小さな茶碗の上を行ったり来たりしながら
一番美味しい最後の一滴まで出すべく、何度も振っていました。
あれは思い返すとなかなかかっこよかった。
30代で宝瓶、
40代で応量器。
以前はこれに箱膳が入りましたが、年を取ると座しての食事は膝が辛いようなのでやめました。
あさちゃん痛いのイヤ。
ここで私の人生における什器集めは完成を見せます。
(ちなみに20代は黒壇の箸でした。これ一膳と菜箸一膳しか持ってない)
散々探していた宝瓶ですが、これがなかなか見つからない。
まず磁器であること。
がっちゃんがっちゃんとガサツに食器を洗うので、土ものはよう持ちきらんのです。
次に白いこと。
もう白けりゃ何でもいいの。どうしてこうも白が好きなのか。
それに美しい水色も楽しみたいし。
小さな絵入りも却下としていました。
もうね、いっこもない。
ぐずぐずでしたよ。
ところがネットで検索したらトップに理想の宝瓶が!!
イエーイ!!
我が名は現代っ子!!
楽出来るなら経過も手段も問わぬ!!
ニヤニヤしながらポチっとしました。
30歳の一日前、無事届きました。
もう嬉しゅうて嬉しゅうてならん。
でも当日の夜まで我慢。
開ける暇もなかったし。
当日です。
静かな夜の静かなお茶です。
イメトレとして手首をクキクキしていた真価が今問われる。
茶碗を温め、それとは別に適量を湯冷ましにお湯を入れます。
ここでお茶葉。
フッフフ。
この日に相応しいものを用意しましたよ。
一保堂の玉露、「鶴齢」です。
一保堂の玉露ったら、お歳暮でしか見たことありませんでしたよ!
それが今自分のお金で!自分の目の前に!自分が飲むの!!
あー!年取ってよかった!!三十路万歳!!
今回は「齢」繋がりでこれにしましたが、いつか何かで天下を取ったら
最高の玉露、「天下一」を飲みたいものよのぅ。
・・・案外野心家なアタイ。
一保堂と言ったら目に鮮やかなオレンジとヒスイ色の茶壺のラベルです。
開けると鼻腔を甘やかに刺激するお茶の香りは、これからの至福の時間を確約してくれました。
50度近くまで下がったお湯を注ぎ、茶葉が緩むのを待ちます。
約1分。
この待つ時間を持つことがなによりの贅沢なのでしょう。
手首をクキクキクキクキ振りに振って、自分至上最高のお茶が入りました。
!!
・・・甘露なり。
正しく甘露なり。
とろりとした甘みと香り。
茶碗の縁は指を入れると透けて見えるほどの薄さです。
この薄さがお茶をさらに美味しくさせているのでしょう。
何ccなのか、ほんの一口で終わる幸せ。
久々に脳内麻薬がじゃーじゃー出ました。
これは癖になります。
が一つ難点が。
ちっちがめちゃくちゃ近くなる。
ただでさえ代謝という代謝がいい私です。
キュウリ一本食べただけで、その利尿作用に腎臓がフル稼働します。
まさか30になったと同時にトイレの国のお姫様になるとは。
万年アルコール除菌中の肝臓といい、私の中身はよう働くのう。
中身に負けずに私も働くよ!
これからもよろしくな!!
宝瓶というのは片口に蓋がついたようなもので、持ち手のない急須のことです。
亡くなった父方の伯父が、本家に遊びに行くと必ず宝瓶でお茶を入れてくれました。
片手で宝瓶を鷲掴みして、小さな茶碗の上を行ったり来たりしながら
一番美味しい最後の一滴まで出すべく、何度も振っていました。
あれは思い返すとなかなかかっこよかった。
30代で宝瓶、
40代で応量器。
以前はこれに箱膳が入りましたが、年を取ると座しての食事は膝が辛いようなのでやめました。
あさちゃん痛いのイヤ。
ここで私の人生における什器集めは完成を見せます。
(ちなみに20代は黒壇の箸でした。これ一膳と菜箸一膳しか持ってない)
散々探していた宝瓶ですが、これがなかなか見つからない。
まず磁器であること。
がっちゃんがっちゃんとガサツに食器を洗うので、土ものはよう持ちきらんのです。
次に白いこと。
もう白けりゃ何でもいいの。どうしてこうも白が好きなのか。
それに美しい水色も楽しみたいし。
小さな絵入りも却下としていました。
もうね、いっこもない。
ぐずぐずでしたよ。
ところがネットで検索したらトップに理想の宝瓶が!!
イエーイ!!
我が名は現代っ子!!
楽出来るなら経過も手段も問わぬ!!
ニヤニヤしながらポチっとしました。
30歳の一日前、無事届きました。
もう嬉しゅうて嬉しゅうてならん。
でも当日の夜まで我慢。
開ける暇もなかったし。
当日です。
静かな夜の静かなお茶です。
イメトレとして手首をクキクキしていた真価が今問われる。
茶碗を温め、それとは別に適量を湯冷ましにお湯を入れます。
ここでお茶葉。
フッフフ。
この日に相応しいものを用意しましたよ。
一保堂の玉露、「鶴齢」です。
一保堂の玉露ったら、お歳暮でしか見たことありませんでしたよ!
それが今自分のお金で!自分の目の前に!自分が飲むの!!
あー!年取ってよかった!!三十路万歳!!
今回は「齢」繋がりでこれにしましたが、いつか何かで天下を取ったら
最高の玉露、「天下一」を飲みたいものよのぅ。
・・・案外野心家なアタイ。
一保堂と言ったら目に鮮やかなオレンジとヒスイ色の茶壺のラベルです。
開けると鼻腔を甘やかに刺激するお茶の香りは、これからの至福の時間を確約してくれました。
50度近くまで下がったお湯を注ぎ、茶葉が緩むのを待ちます。
約1分。
この待つ時間を持つことがなによりの贅沢なのでしょう。
手首をクキクキクキクキ振りに振って、自分至上最高のお茶が入りました。
!!
・・・甘露なり。
正しく甘露なり。
とろりとした甘みと香り。
茶碗の縁は指を入れると透けて見えるほどの薄さです。
この薄さがお茶をさらに美味しくさせているのでしょう。
何ccなのか、ほんの一口で終わる幸せ。
久々に脳内麻薬がじゃーじゃー出ました。
これは癖になります。
が一つ難点が。
ちっちがめちゃくちゃ近くなる。
ただでさえ代謝という代謝がいい私です。
キュウリ一本食べただけで、その利尿作用に腎臓がフル稼働します。
まさか30になったと同時にトイレの国のお姫様になるとは。
万年アルコール除菌中の肝臓といい、私の中身はよう働くのう。
中身に負けずに私も働くよ!
これからもよろしくな!!