2009年06月14日
宴のあと
あー。
よかったのかなー。
短慮だったんじゃないのかなー。
私、七尾氏のお優しさに甘えてる?
でも今回楔を打った制約のある文章を書いたことで、自分の癖がわかりました。
いぇーい。
↑あさちゃん、自分のことばっかりやな!
さて。ちと徘徊して、明日の朝市に備えるかの。
すり身買って、おじいさんの口に放り込むんだー。
で、おじいさんの耳に耳掻き突っ込むんだー。
えへへー。
私が食べ物ばっかりあちこち持ってく理由。
後に残る物をあげるより、素敵なことだから。
自分の用意したものが、好きな人たちの血となり肉となるの。
それはとても素敵なことでしょう?
七尾さん、
大分に取材で来ることがございましたら教えてくださいましね。
肥え太るまで口の中に放り込みますわ!
そして私に新作を読ませて。
良書であるほど、読んだ後の募る寂寥感は私が欲深い証拠です。
よかったのかなー。
短慮だったんじゃないのかなー。
私、七尾氏のお優しさに甘えてる?
でも今回楔を打った制約のある文章を書いたことで、自分の癖がわかりました。
いぇーい。
↑あさちゃん、自分のことばっかりやな!
さて。ちと徘徊して、明日の朝市に備えるかの。
すり身買って、おじいさんの口に放り込むんだー。
で、おじいさんの耳に耳掻き突っ込むんだー。
えへへー。
私が食べ物ばっかりあちこち持ってく理由。
後に残る物をあげるより、素敵なことだから。
自分の用意したものが、好きな人たちの血となり肉となるの。
それはとても素敵なことでしょう?
七尾さん、
大分に取材で来ることがございましたら教えてくださいましね。
肥え太るまで口の中に放り込みますわ!
そして私に新作を読ませて。
良書であるほど、読んだ後の募る寂寥感は私が欲深い証拠です。
2009年06月14日
炭鉱太郎がきた道
七尾和晃氏著 「炭鉱太郎が来た道」 読了
まずは己の運の良さを讃えたい。
「銀座の怪人」を最初に読んで、「炭鉱太郎が来た道」で締めることが出来たこの天佑。
私は酒の神と本の神には間違いなく愛されています。
(夜通し飲むときは「神の雫」よろしく、「目覚めよ、私の中のバッカス!!」て言ってから飲みます。ばかですね)
日本の近代を支えた炭鉱夫(炭鉱太郎)たち。
彼らはどこからやってきて、どこへ消えたのか。
何者でもなかった無名の人々の、確かにあった人生を辿るルポタージュです。
始まりは炭鉱離職者に交付された「黒い手帳」の軌跡追うものです。
石炭から石油へ移行していった日本のエネルギー産業を地の底から支え、
やがて去っていた男達はかつて何を思い、今何を思うのか。
「誰でも人生で一冊は小説が書ける」
なんて言葉がありますが、有名、無名を問わず人はドラマチックで悲哀と喜びに満ち満ちた人生があります。
その人生を敬い、筆に墨をし白けき紙を埋めることのなんと尊いことでしょう。
「人間に乗って文化は育まれ、そして移っていくという、当たり前のことを(略)」
著者ご本人から頂戴した言葉です。(ありがたいことですね)
これが氏のご本の根底にあるテーマであることは、その筆力の確かさから如実に伝わります。
氏はこのテーマを産業、政治、経済、民俗学他その底なしの知識と行動力を持って表現されてますが、
どちらかというと、よりフォークロア寄りの興味が尽きない私としては、
第3章「逆光のなかの『山の神』 第4章「ヤマに消えたキリスト」 第5章「忘れられた西の果て」で
頭に血が集まってしまいました。
どうも「漂泊の民」「山人」「道々のもの」「安曇」「たたらもの」「サンカ」他、
「通り過ぎる人」に憧れともつかないような思いがあります。
ところがここで「万世一系に纏ろわぬ者」というキーワードが入る本は
途端にその人の営みの描写の精彩を欠き、カロリー豊富とは言い難い(てへ)物が多いのです。
いや、もちろん万書に通じるわけでもないので
たまたまハズレを引いてきただけかもしれませんが。
やはり学問とイデオロギーは別掲にしてしかるべきではないかなぁと思います。
一緒くたは人を傷つけることが多いよ。
それでいくと宮本常一の誠実なフィールドワークを基とする著作は
優れた学術書であり、読む者の善なる心を喚起させる文学的作品でもあります。
洋の東西を問わないならば、レヴィ・ストロースも同様といえるでしょう。
「宮本常一とレヴィ・ストロースが一緒って、お前どんな読み方してんだ」
と言われそうですが。
良書であることと、テーマの派手、地味は関係ないわ。
そして平成の御世、この系譜は七尾氏に継がれていると信じております。
きっときっと、さらなる大著を著され、「炭鉱太郎」引用されていた「忘れたれた日本人」
「塩の道」「悲しき熱帯」「野性の思考(三色スミレ)」と共に称されるのです。
ふふふ。さらに追い詰めてみました♪
どうかどうか筆を折らないでくださいましね。
エピローグ最後の2行は、私の数年後の「自分史上最高の読書体験」を約束してくださる
お言葉として拝読いたしました。
「銀座の怪人」2つめのコメントで不穏なことお書きになるんですもの。
さらなるご活躍をお祈りしつつ、「炭鉱太郎」をはじめ(入手可能な限りの)著作5冊を
世に出してくださいましたことへの感謝をここに申し上げたいと思います。
ありがとうございました。
まずは己の運の良さを讃えたい。
「銀座の怪人」を最初に読んで、「炭鉱太郎が来た道」で締めることが出来たこの天佑。
私は酒の神と本の神には間違いなく愛されています。
(夜通し飲むときは「神の雫」よろしく、「目覚めよ、私の中のバッカス!!」て言ってから飲みます。ばかですね)
日本の近代を支えた炭鉱夫(炭鉱太郎)たち。
彼らはどこからやってきて、どこへ消えたのか。
何者でもなかった無名の人々の、確かにあった人生を辿るルポタージュです。
始まりは炭鉱離職者に交付された「黒い手帳」の軌跡追うものです。
石炭から石油へ移行していった日本のエネルギー産業を地の底から支え、
やがて去っていた男達はかつて何を思い、今何を思うのか。
「誰でも人生で一冊は小説が書ける」
なんて言葉がありますが、有名、無名を問わず人はドラマチックで悲哀と喜びに満ち満ちた人生があります。
その人生を敬い、筆に墨をし白けき紙を埋めることのなんと尊いことでしょう。
「人間に乗って文化は育まれ、そして移っていくという、当たり前のことを(略)」
著者ご本人から頂戴した言葉です。(ありがたいことですね)
これが氏のご本の根底にあるテーマであることは、その筆力の確かさから如実に伝わります。
氏はこのテーマを産業、政治、経済、民俗学他その底なしの知識と行動力を持って表現されてますが、
どちらかというと、よりフォークロア寄りの興味が尽きない私としては、
第3章「逆光のなかの『山の神』 第4章「ヤマに消えたキリスト」 第5章「忘れられた西の果て」で
頭に血が集まってしまいました。
どうも「漂泊の民」「山人」「道々のもの」「安曇」「たたらもの」「サンカ」他、
「通り過ぎる人」に憧れともつかないような思いがあります。
ところがここで「万世一系に纏ろわぬ者」というキーワードが入る本は
途端にその人の営みの描写の精彩を欠き、カロリー豊富とは言い難い(てへ)物が多いのです。
いや、もちろん万書に通じるわけでもないので
たまたまハズレを引いてきただけかもしれませんが。
やはり学問とイデオロギーは別掲にしてしかるべきではないかなぁと思います。
一緒くたは人を傷つけることが多いよ。
それでいくと宮本常一の誠実なフィールドワークを基とする著作は
優れた学術書であり、読む者の善なる心を喚起させる文学的作品でもあります。
洋の東西を問わないならば、レヴィ・ストロースも同様といえるでしょう。
「宮本常一とレヴィ・ストロースが一緒って、お前どんな読み方してんだ」
と言われそうですが。
良書であることと、テーマの派手、地味は関係ないわ。
そして平成の御世、この系譜は七尾氏に継がれていると信じております。
きっときっと、さらなる大著を著され、「炭鉱太郎」引用されていた「忘れたれた日本人」
「塩の道」「悲しき熱帯」「野性の思考(三色スミレ)」と共に称されるのです。
ふふふ。さらに追い詰めてみました♪
どうかどうか筆を折らないでくださいましね。
エピローグ最後の2行は、私の数年後の「自分史上最高の読書体験」を約束してくださる
お言葉として拝読いたしました。
「銀座の怪人」2つめのコメントで不穏なことお書きになるんですもの。
さらなるご活躍をお祈りしつつ、「炭鉱太郎」をはじめ(入手可能な限りの)著作5冊を
世に出してくださいましたことへの感謝をここに申し上げたいと思います。
ありがとうございました。
2009年06月14日
闇市の帝王
七尾和晃氏著 「闇市の帝王ー王長徳と封印された「戦後」-」 読了
ー戦勝国民としての特権を武器にした男は、異郷の地日本で
「東京租界の帝王」と呼ばれるまでにのし上がっていくー
ー彼は何を目指したのか、日本は彼をどのように受け入れたのか、
遠き「戦後」の知られざるアンダーワールドを跋扈した男の
回想を交えた物語ー
物語は安倍晋三が自民党幹事長に就任した秋(!)、
著者が居酒屋の席で見た総理大臣宛ての内容証明郵便と
ある男の名刺を見たことから始まります。
「黄色合同株式会社 代表取締役 王長徳」
彼がいかに「封印された」戦後を体現した人間か。
この本にも出てきますが、「M資金」「五島慶太」「G2」「安藤昇」他
少し本を読めばいくらでも出てきます。
私が寡聞にして知らないだけだったのかもしれませんが、
当の「王長徳」の名前をここで始めて知りました。
彼の元を訪れた著者は、一人の男が背負った「戦後」に耳を傾けます。
語られざる物語は、決して断絶した遠い昔ではなく、平成の今に繋がるものでした。
彼の言葉、彼の人となりの全てが書かれた本ではありません。
闇市を作り、戦後の混乱期に暗躍した彼は決して清らかな人生を送ったわけではなく、
著者自身どこまで活字にするか悩まれたことと思います。
ですが、清濁併せ持ってこそ人間。
だからこそ著者は彼に惹かれたのでしょう。
それは我々読者も、著者の筆をかすがいに追体験できます。
最新作、「炭鉱太郎が来た道」の道程を示す著作の一つです。
新たな読書体験の予感は、単調な生活の中で最高の愉悦ですね。
ちょっと息切れ。
4冊一気はやっぱり時間がかかるのかしら。
ちゅーか「朗読者」読みながらってのを止めろ。
ー戦勝国民としての特権を武器にした男は、異郷の地日本で
「東京租界の帝王」と呼ばれるまでにのし上がっていくー
ー彼は何を目指したのか、日本は彼をどのように受け入れたのか、
遠き「戦後」の知られざるアンダーワールドを跋扈した男の
回想を交えた物語ー
物語は安倍晋三が自民党幹事長に就任した秋(!)、
著者が居酒屋の席で見た総理大臣宛ての内容証明郵便と
ある男の名刺を見たことから始まります。
「黄色合同株式会社 代表取締役 王長徳」
彼がいかに「封印された」戦後を体現した人間か。
この本にも出てきますが、「M資金」「五島慶太」「G2」「安藤昇」他
少し本を読めばいくらでも出てきます。
私が寡聞にして知らないだけだったのかもしれませんが、
当の「王長徳」の名前をここで始めて知りました。
彼の元を訪れた著者は、一人の男が背負った「戦後」に耳を傾けます。
語られざる物語は、決して断絶した遠い昔ではなく、平成の今に繋がるものでした。
彼の言葉、彼の人となりの全てが書かれた本ではありません。
闇市を作り、戦後の混乱期に暗躍した彼は決して清らかな人生を送ったわけではなく、
著者自身どこまで活字にするか悩まれたことと思います。
ですが、清濁併せ持ってこそ人間。
だからこそ著者は彼に惹かれたのでしょう。
それは我々読者も、著者の筆をかすがいに追体験できます。
最新作、「炭鉱太郎が来た道」の道程を示す著作の一つです。
新たな読書体験の予感は、単調な生活の中で最高の愉悦ですね。
ちょっと息切れ。
4冊一気はやっぱり時間がかかるのかしら。
ちゅーか「朗読者」読みながらってのを止めろ。